• 「私は物心がついて以来、常に強い冒険心を抱いてきた」とアザ・アルラシディさんは言う

ディーマ・アルクデル

アザ・アルラシディさんが「空虚の地」（ルブアルハリ砂漠）を26日間で横断したのは、彼女曰く「夢を叶える」体験だった。それは、ほかの女性たちが後に続き、広大な砂漠の不思議を探るためのよき前例となっている。

アルラシディさんは、強い冒険心と野心を持ったサウジ女性だ。その忘れがたい旅のため、世界各地から集まった探検家チームの中では唯一の女性だった。

彼女は2019年のあの体験を振り返りながら、「空虚の地」への探検に再び参加したいと語った。

英語で「空虚の地」と訳されるルブアルハリ砂漠は、アラビア半島南部のほぼ3分の1を占める。面積は65万平方キロ。サウジアラビアのほかオマーン、アラブ首長国連邦、イエメンの一部を含む広大な砂漠だ。

アザ・アルラシディさんは、アラブニュースの取材に次のように話した。「出発点はこの地球です。私の大志は空を突き抜け、その決意と自信によって、私の舟が達成を目指し大海を漕ぎ出しています。私は生まれながらの冒険家です。物心がついて以来、常に強い冒険心を抱いてきました。私の人生は、そのような冒険と体験のためにあるのです」

彼女は、この謎に満ちた砂の大地を探検するのは冒険家の夢であり、社会科学分野における彼女の経歴によって、砂漠に対する好奇心がますますかき立てられたと話した。

「空虚の地」の砂漠に立ち、その自然環境について学び、太古の地史を発見することは、あらゆる旅人や冒険家の飽くなき欲求を代表するものです。この砂漠を横断したことは、希望が叶えられたということです。歴史、地理、科学、社会学を含めた私の社会科学の研究分野や学術的な経歴により、この砂漠を探検したいという熱意が高まりました」

アルラシディさんは、ラカイブ・キャラバンとともに旅をした。それは、ムハンマド・ビン・サルマーン王太子の命による同砂漠への最初の旅だった。

「ラカイブの初の旅は、空虚の地を発見せよという王太子の命によって行われたものです。88年前の1932年、アブドゥルアズィーズ・イブン・サウード国王の時代に探検家ジョン・フィルビーによって行われた同様の旅に続くもので、目的はその地理的な自然の探究でした」と、彼女は説明した。「私たち一行はこの地から、サウジ王国の面積の4分の1を占める砂漠を横断する旅へと出発しました。この旅では王太子がフォローアップを担ったほか、キャメル・クラブのスーパーバイザー、旅の一行のリーダーであるMaj. Gen. Abdul Aziz Al-Obaida氏、サウジ地質調査団体のオーガナイザーと協力者が尽力しました。私たちを含めて総勢66人の冒険家や旅行者による旅でした」

旅は26日間続いた。出発地はUbar、終点はYabreenだった。全日程のうち4日間については、乗るラクダの準備、ラクダへの給餌、ラクダへの水やりのフォローアップの訓練が含まれていた。

この訓練には、寝袋、テントの使用法、さらにはラクダとのやり取りに役立つ言葉の学習についてのガイダンスも含まれていた。

「私はジェッダから飛行機に乗り、ナジュラン州シャルラに到着しました。そこで私を含めた一行は待機していた車に乗り込み、アルハルキルに行きました。その後Ubar向かい、キャンプ地に到着。このキャンプ地は、サウジ国内外からの旅の参加者の集合場所として用意されたものでした」

アルラシディさんは、サウジ以外の21ヵ国の人々がこの旅に参加したと話した。その参加者たちは、冒険への愛と、冒険を達成するための情熱を共有していたという。

参加者は7つのグループに分けられ、それぞれ説明を受け、規則について教わった。「私たちは、新しい人生に向けて出発しました。旅を通じて、自分たちが知り、住んでいる場所とは違う環境に適応していったのです」と、彼女は付言した。

一行は、歩き旅のために3日、休息と充電を目的としたキャンプのために1日を使った。出発日には、ラクダに乗って15キロ旅をした。最後の2日間には、ラクダでゆく距離が30キロから45キロに増大していた。旅の終盤では55キロ横断し、1日8時間を旅のために費やした。

旅は午前7時半にスタートし、日没まで続いた。正午には1時間の休憩をとった。

「私たちはUbarを出発後、ミネラルの豊富な水の湧く井戸のあるBir Nifaなどの地域に到着しました。その地から旅程を辿り、Yabreenまで行ったのですが、そこは素晴らしかった。砂漠に魅了されたのです。そのあたりはかつてテチス海の底で、地球のさまざまな地質年代に海が後退し、巻貝、二枚貝、化石、そして無数の昆虫がいた証拠となる痕跡を残しました。この砂漠には、4つの世界最大級の砂地帯があり、その高さは250～300メートルに達します」

冒険者たち一行はこの旅の終着地で、東部州のアーメド・ビン・ファハド・ビン・サルマーン副知事に迎えられた。

アルラシディさんには、名誉証明書、勲章、ラカイブ・キャラバン・メダルが授与された。