
ラワンラドワン
ジェッダ:サウジアラビア最北地域のこの未踏の谷は、聳え立つ赤い砂岩の断崖に挟まれていて、日常の喧騒から逃れるには、うってつけの場所となっている。
タブーク市の約200キロメートル南にあり、標高400メートルのアル・ディサ渓谷は、王国屈指の美しい自然景観だ。一点の曇りもない小川、豊富な湧き水、まばらに生い茂る緑、聳え立つヤシの木があり、ここに来た人は、本人が望む最も際立ったサウジでの体験を見付けることができるだろう。
それゆえ、サウジ政府観光庁(STA)が、サウジのウインターシーズンのキャンペーンで、最も取り上げるべき観光地の1つとして、このエリアを選んだのは驚くに当たらない。
この渓谷は混み合った街や都市から十分離れており、こうした人里離れた立地により、訪れる者はテクノロジー以前の時代、さらに文明化以前の時代にまでタイムスリップできる。これは「ジュラシックパーク」の体験と言ってもいいぐらいだ。ただし、ここはそれよりもはるかに平和で、静かであり、暴れ狂うTレックスはいないのだが。
この冬、北部地方の大半で急激に温度が低下しているが、この渓谷のかなり穏やかな気候により、キャンプをし、ヤシの木、カミガヤツリ、ヘナ、オレアンダー、ワイルドバジルの低木に囲まれて、キャンプをしたり、日帰りハイキングに出発したりするチャンスを求めて、王国中からたくさんの人々が訪れている。また訪問者たちは夕食のバーベキューや、光害に妨げられずに、満天の星のくっきりとした眺めを楽しむこともできる。
「家族旅行でタブークに行っている間の話ですが、いとこと私はキャンプ用品を詰め、この渓谷に向かいました」と、アブドラ・アル・ハーシーさんは語った。「私たちは映画の世界に向かって、車で走っているように感じました。つまり、緑の草木で覆われた赤い山々があり、まさにその場ですぐに、気候が変わったと感じました」
「私たちは大抵、タイフ周辺エリアでキャンプをしていますが、私たちにとって、ここは初めてでした。とても楽しかったし、後期授業が始まる前にリラックスできました。気候は一年中、大抵こんな感じだと聞きました」
STAのキャンペーン、『ウインター・アラウンド・ユー(Winter Around You)』シーズンは、12月に始まり、3月末まで続く。これには、200以上の民間組織が提供する300以上の体験と旅行ツアーが含まれている。このキャンペーンは、王国とその他の湾岸諸国の国民と住民に、家族・グループ・個人旅行とどんな旅行でも、この国のさまざまな土地と気候をめぐり、たくさんの魅力を発見するように促している。