Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter

サウジの不動産物件が太陽電池パネルの使用許可を取得

地方自治・住宅省は今週、家屋や居住施設に太陽エネルギー電池を設置するために必要な安全要件の施行を開始したと発表した。(ゲッティイメージズ)
地方自治・住宅省は今週、家屋や居住施設に太陽エネルギー電池を設置するために必要な安全要件の施行を開始したと発表した。(ゲッティイメージズ)
Short Url:
10 Feb 2021 10:02:45 GMT9
10 Feb 2021 10:02:45 GMT9
  • サウジアラビアの広大な乾燥地帯は、太陽光発電の有力な拠点とみなされている。

ルバ・オバイド

ジッダ―日照が一日に約9時間持続するサウジアラビアの不動産物件が、代替発電形式としての太陽電池パネルの設置について許可を取得した。

同国地方自治・住宅省は今週、家屋や居住施設に太陽エネルギー電池を設置するために必要な安全要件の施行を開始したと発表した。

このプロジェクトに参加する組織・団体には、エネルギー省、電力コジェネ規制局、商業・投資省、アブドゥラ王国・都市・原子力・再生可能エネルギー機構、サウジアラビア標準化公団が含まれる。

この動きに先立ち、サウジ・エネルギー省は、小規模の太陽光電池(PV)システム(1枚以上の太陽電池パネルと、インバーターなどの他の電気ハードウェアを組み合わせた装置)が、消費者の自宅や企業向けの発電を開始する準備を整えていると発表していた。このシステムは今後、サウジの配電網に接続される。

サウジアラビアの広大な乾燥地帯は、太陽光発電の有力な拠点とみなされている。日光とガス資源が豊富な同国は、国内の電力供給を多様化しようとしている。サウジアラムコのような企業も、1980年代からPVパネルを再生可能なエネルギー源として使用してきている。

PVシステムを活用する利点としては、環境に優しいことや、太陽エネルギーが日照さえあれば基本的にどこでも利用可能であるため効率的であること、コスト効率が高いこと、メンテナンスの必要があまりないこと、そして音が静かであることが挙げられる。

PVシステムの利用は、気候変動問題に取り組む上で一歩前進となる。この目標を達成するため、サウジアラビアは循環型経済の考え方を推進してきた。この循環型経済は、サウジが議長国を務めた2020年のG20でも広範に、繰り返し話し合われた。

PV電力システムの設計および設置には、ガイドラインに厳格に留意することが求められる。マッカにある公共政策研究所のプロジェクト・エンジニアリング管理担当長であるワリド・アル・ガムディ氏はアラブニュースの取材に対し、このシステムを安全に稼働させることは、取り付けの誤差や電気事故、怪我を減らしたり、排除したりする上で非常に重要な要素となる、と説明した。

エネルギー省は、検査官、請負業者、設計者、エンジニアリングおよびコンサルティング事務所、並びにシステムの受益者を含めたすべてのサービス利用者は、こうした要件を認識すべきだと指摘した。

オフィスビルや住居へのPVシステムの設置許可を取得する前に、関係当局は、関係書類と計画を再評価するとともに、当該建造物の構造について調査する。

「我々の建物の屋上には、世界の他地域、例えば欧州にある住宅と比べても、PVシステムの設置に適したほどよいスペースがある」と、アル・ガムディ氏は述べた。

「とはいえ、PVシステムは、通常は広大な土地をカバーするため、住宅用建物は間違いなくこのエネルギーの利用の恩恵を受けることが可能だが、それに全面的に頼ることはできない」。同氏はこのように続けた。

このため、PVシステムは、ショッピングモールなどの大型の建物や、駐車場などの広大な土地で最も効果を発揮する、とアル・ガムディ氏は示唆した。また、同氏は、太陽光エネルギーの費用対効果については、相対的な問題になるとも説明した。「一般的に、都市の内部地域では、電線を通した発電のエネルギーがより安価となるが、PVエネルギーは、都市から離れた地域でより安価となる」

アル・ガムディ氏によると、太陽光エネルギーのシステムでは、効率性が年間でおよそ20~30%上がる一方、システムのコストは下がるという。

1月初頭に開かれた国際再生可能エネルギー機関の総会の第11回会合の中で、アブドゥラ王国・都市・原子力・再生可能エネルギー機構のカリド・アル・スルタン会長は、サウジアラビアが2030年までに、国家の電力需要の50%を再生可能エネルギーの利用によって、残りの50%をガスの利用によってまかなうことを目指していると述べた。

アル・スルタン会長は、サウジアラビアが、持続可能な再生可能エネルギーの部門の創出に向けて努力していると述べた。その部門には、業界、サービス、技術のローカリゼーション、人材開発が含まれている。

「再生可能でクリーンなエネルギー、そして環境の保護に関して言えば、サウジアラビアは正しい方向に進んでいる」。アル・ガムディ氏はこのように述べた。「サウジは、この分野では先駆的な役割を果たすことができる」

アル・ガムディ氏は、クリーンエネルギーの最良の導入例として、最近になって発表された、ネオムに位置するハイテクで環境に優しい都市「ザ・ライン」についても強調した。

特に人気
オススメ

return to top

<