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サウジアラビア、積極的な水戦略をアピール 半世紀ぶり開催の国連水会議で

サウジアラビア環境・水・農業省のアブドルアジーズ・アル・シャイバニ水問題担当副大臣は、タジキスタンとオランダの政府の共同主催により今週ニューヨークで約半世紀ぶりに開催されている「国連水会議」で発言した。(サウジアラビア環境・水・農業省)
サウジアラビア環境・水・農業省のアブドルアジーズ・アル・シャイバニ水問題担当副大臣は、タジキスタンとオランダの政府の共同主催により今週ニューヨークで約半世紀ぶりに開催されている「国連水会議」で発言した。(サウジアラビア環境・水・農業省)
サウジアラビア環境・水・農業省のアブドルアジーズ・アル・シャイバニ水問題担当副大臣は、タジキスタンとオランダの政府の共同主催により今週ニューヨークで約半世紀ぶりに開催されている「国連水会議」で発言した。(サウジアラビア環境・水・農業省)
サウジアラビア環境・水・農業省のアブドルアジーズ・アル・シャイバニ水問題担当副大臣は、タジキスタンとオランダの政府の共同主催により今週ニューヨークで約半世紀ぶりに開催されている「国連水会議」で発言した。(サウジアラビア環境・水・農業省)
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24 Mar 2023 07:03:48 GMT9
24 Mar 2023 07:03:48 GMT9
  • サウジアラビアは世界中のインフラプロジェクトに数十億ドルを投じており、水供給の安全性と持続可能性における世界の中心的存在となっている
  • 今週ニューヨークで開催されているこの会議は、水をテーマにしたこの種の国際的なイベントとしては最近の歴史で初めてのものである

エファレム・ コッセイフィ

ニューヨーク:世界的に、特にアラブ地域で水不足への懸念が高まり続ける中、サウジアラビア政府高官は23日、問題への対処に向けた同国の方策の詳細を明らかにした。

高官たちは、サウジアラビアは、環境負荷を軽減する統合的な方法で水資源をリサイクル・管理する方法を開発することにより、誰もが安全で安価な飲料水を得られるよう取り組みを進めていると説明し、すべての人に安全な水をという世界目標の達成に向けて正しい道を歩んでいることに自信を示した。

サウジアラビア環境・水・農業省のアブドルアジーズ・アル・シャイバニ水問題担当副大臣は、同国は海水淡水化による非従来型の水供給で世界をリードしており、淡水化のプロセスによる環境への影響を軽減するために努力している、と述べた。

アル・シャイバニ副大臣の発言は、タジキスタンとオランダの政府の共同主催により今週ニューヨークで約半世紀ぶりに開催されている、「国連水会議」でなされたものである。

国連のファルハン・ハク副報道官はアラブニュースに対し、「なぜ今まで(この会議が)開かれなかったのか、私には分からない」と語った。「しかし、今こうして開催されることを嬉しく思う」

私たちが直面している問題の一部がいかに深刻なものか、理解してもらうのには時間がかかるが、少なくとも加盟国はこの(会議)を実現させており、一歩前進したと言える」

水会議の主催側では、この会議が、国連全体、加盟国、その他のステークホルダーによる取り組みの開始に向けた働きかけにおいて、重要な転換点になることを期待している。

事態は深刻さを増しており、水に関する目標の国際的な進捗は「驚くほど」遅れ、持続可能な開発という方向性そのものを危うくしているからだ。

国連総会は2015年、「持続可能な開発目標」(「すべての人にとってより良く、より持続可能な未来を実現するための青写真」となるよう設計された17の世界目標)を定め、2030年までの達成を目指すこととなった。

アル・シャイバニ副大臣は、23日の会議で、水部門は包括的な経済繁栄の礎であり、他の経済部門の戦略の重要な要であると述べた。

また、サウジアラビアの野心的な開発プロジェクトである「サウジビジョン2030」は、国連の持続可能性目標に沿った、より持続可能な経済を構築するための同国による取り組みの一環として開始されたものであり、かつ「経済の多様化、国家の石油依存度の低減、公共部門のよりダイナミックで柔軟かつ持続可能な開発によって」より良い未来への道を開くものだと副大臣は説明した。

サウジアラビアの限られた天然淡水資源と増え続ける水需要、そしてこれらの要因が持続可能な経済発展にもたらす課題に対処するため、サウジ政府は2018年に、「国家水戦略2030(National. Water Strategy 2030)」と現在呼ばれている戦略を策定している。

アル・シャイバニ副大臣によると、国家水戦略2030は統合水資源管理(Integrated Water Resources Management)の原則を中心に考案されたもので、サウジアラビアの水部門を再構築し、より持続可能で効率的なものにすることを目的としているという。

副大臣はまた、国家水戦略が、多くの大胆な取り組みやプログラムを通じてその目的を達成しようするものだと説明し、それらの中でも特に重要性が高いものとして以下を挙げている: 統合水資源管理能力の再編と開発、水法の開発と施行、統合水計画、再生可能・非再生可能な地下水資源と地上水の開発、持続可能な海水淡水化能力の開発、民間部門と第三セクターの貢献の促進、環境規制と要件の順守、灌漑効率の改善。

また、サウジアラビアは2024年までに化石燃料からの二酸化炭素排出量を56%削減するよう努めており、これはパリ協定における同国の公約削減目標の26%に相当し、全体の削減目標は2030年までに達成される見込みだともアル・シャイバニ副大臣は明らかにした。

また、海水淡水化の進歩により、再生不可能な地下水資源の保護と、飲料水の水質の大幅な改善にも成功しているとのことである。

サウジアラビアはまた、「活発な地域経済と農村コミュニティを有する持続可能な農業都市を確立し、(また)「持続可能な農業・農村開発プログラム」などの、非伝統的な水源がもたらす発展の実現を通じて女性を支援している」ともアル・シャイバニ副大臣は語った。

さらに、「すべての人に安全で安価な飲料水への普遍的かつ公平なアクセス」を実現するために、サウジアラビアは水インフラに関連して今後数年間で実施される「数百におよぶプロジェクト」に800億ドル(約10兆5000億円)以上を投じる、とアル・シャイバニ副大臣は会議の席上で明らかにした。

サウジアラビアは法律や規制、啓蒙活動を通じて水の使用を合理化してきたとも副大臣は付け加えた。

また、2020年、G20の議長国であったサウジアラビアは、G20の行動計画に回復力のある持続可能な水管理の問題を盛り込むよう初めて求めたことも強調された。同国政府はまた、G20の「水に関する対話」でも主導的な役目を果たしたという。この対話は、インドが議長国を務める今年のG20でも、第4回目の開催が予定されている。

「サウジアラビア政府は、G20のパートナーとの協力と調整を通じて、今後数年間、G20における水に関する議論の継続性を確保することを目指しています」と、アル・シャイバニ副大臣は同国の積極姿勢を強調した。

一方、サウジアラビア開発基金は、開発途上国における多くの水インフラプロジェクトの開発に数十億ドルを提供してきた点にも副大臣は言及した。これらの開発には「ダムの建設、井戸掘削、給水ネットワーク、およびその他の水関連プロジェクト」などが含まれると説明された。

アル・シャイバニ副大臣は最後に、すべての国々が持続可能な開発目標の達成に向けて協力し、経験を共有し、共に困難に立ち向かうようを呼びかけた。「目標の中でも特に重要なことが、第6目標で言われている――今いる私たちすべてと将来の世代のため、安全な未来の実現を目指す、と」

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