パリを拠点とするフランスのビデオゲーム開発件パブリッシャー、ミクロイズ(Microids)がアラブニュース・ジャパンのインタビューに応じ、新作ゲーム『グレンダイザー』を制作する際に直面した課題や最近のサウジアラビア訪問について語ってくれた。
同社は設立以来、ニンテンドーDSで50以上のゲーム、一般PC向けや携帯端末で数百のゲームをリリースするなど、多くの作品を手掛けてきた。
2016年にはアガサ・クリスティIP初のゲーム『ABC殺人事件』でコンソールの世界に戻ってきた。
同社は今月、アガサ・クリスティーの小説を題材にした4作目となるゲーム『アガサ・クリスティ オリエント急行殺人事件』を発売した。彼らは、『タンタン記者 – ファラオの葉巻』、『FLASHBACK 2』、『UFOロボ グレンダイザー:たとえ我が命つきるとも』など、この冬発売予定の新作ゲームをリストアップしている。
ミクロイズのパブリッシング担当副社長で元ビデオゲームジャーナリストのアラン・ミリー氏は、アラブニュース・ジャパンの独占取材に応じ、今回の『グレンダイザー』ゲーム開発の経緯と課題について次のように語った。「最初の課題は、グレンダイザーのIPを所有するダイナミック企画に信頼してもらうことでした。契約までに4年近くかかりました。その時点では、私たちが持つ日本企業との実績はタッドコーポレーションとの『JuJu伝説』Switch版のみでした」
「2つ目の課題は、ファンベースの視聴者をターゲットとしながら、アニメシリーズを見て育っていない新しいユーザーも魅了するゲームを作ることでした。楽しくプレイしてもらえるゲームを、予算とスケジュールを守りながら開発することは、共通の課題でしょう。後は、特にSwitchへの移植については技術的な課題もあります」と付け加えた。
アラビア語版ビデオゲームの開発プロセスと課題について、ミリー氏は同社がサウジアラビアのマンガプロダクションズと強力なパートナーシップを結んでいることを明かした。「彼らは私たちを大いにサポートしてくれています。ゲーム内のアラビア語翻訳とナレーションをすべて管理してくれました。私たちはインテグレーション(統合)を管理していますが、アラビア語でゲームを制作するのは初めてなので、少し厄介なこともあります」
ミクロイズチームは3月にサウジアラビアを訪れ、マンガプロダクションズとパートナーシップを結んだ。「私たちが出会った人々の親切さには本当に感謝しているし、人々の若さには驚きました。歴史的な建築物と近代的な建築物が混在していることに本当に驚きました。私たちはアル・マスマク宮殿、ディルイーヤ、複数のショッピングモール、グレンダイザー像があるブールバード・ワールドを訪れました。『Line Expo』が開催されたNEOMも訪れましたが、印象的でした」
ミリー氏は、ミクロイズはヨーロッパ中の様々なインディー系スタジオと協力しているため、競合他社とは一線を画していると語った。「私たちはスタジオと非常に緊密な関係にあり、彼らを非常に信頼しています。私たちのDNAはこの数年間で進化してきましたが、今なお、アドベンチャー、アクション、ファミリー、レーシングのカテゴリーに重点を置いています。私たちは、ブランド力のあるゲームを開発するスペシャリストですが、『Syberia: The World Before(シベリア:ザ・ワールド・ビフォー)』のような当社オリジナルIPのプロモーションと開発も行っています」
同社には、『Empire of the Ants(アリの帝国)』や『スペースコブラ』など、今後発売予定のビデオゲームが多数ある。また、今後数年間にリリース予定の未発表プロジェクトも多数あるという。
ビデオゲーム開発者になること、あるいはゲーム業界で働くことに興味がある人たちへのアドバイスとして、ミリー氏は他の開発者が行っていることを常に調べることを勧めている。「オープンである必要があり、車輪の再発明はしないことです。素晴らしいゲームは、プレイヤーや開発者にとって素晴らしいインスピレーションになります。自分のためにゲームを開発するのではなく、同じ情熱を共有する人々のためにゲームを開発するのです。忍耐強く、計画的で、情熱的であることです」
『UFOロボ グレンダイザー:たとえ我が命つきるとも』は11月14日、PlayStation 4、PlayStation 5、Nintendo Switch、Xbox Series X|S、Xbox One、PCで発売される。