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VRのショールーム「LITUP JAPAN」は、日本のアートと伝統工芸のプラットフォームだ

このプロジェクトは厳選されたアーティストの「唯一無二」の作品に焦点を当てており、日本の職人技が際立つ伝統工芸品から新進気鋭の若手アーティストによる現代アートまで、45個の作品を展示している。(提供されたもの)
このプロジェクトは厳選されたアーティストの「唯一無二」の作品に焦点を当てており、日本の職人技が際立つ伝統工芸品から新進気鋭の若手アーティストによる現代アートまで、45個の作品を展示している。(提供されたもの)
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29 Nov 2023 08:11:32 GMT9
29 Nov 2023 08:11:32 GMT9

アミン・アッバス

「LITUP JAPAN」は株式会社アッシュにより設立されたVRコマースのプラットフォームで、日本のアーティストが作った唯一無二の芸術作品や伝統工芸品の展示を行っている。

株式会社アッシュはクリエイティブ・エージェンシーであり、顧客の問題に対しクリエイティブな解決策を提供している。彼らは真摯かつひたむきに職人技を磨いた日本のアーティストによって作り上げられた芸術作品を、国内だけでなく世界に向けて紹介したいと強く願っており、そのために「LITUP JAPAN」を設立した。アーティストを何よりも優先する(アーティスト・ファースト)彼らは、アーティストの負担を可能な限り減らすシステムを実装したのである。

このプロジェクトは厳選されたアーティストの「唯一無二」の作品に焦点を当てており、日本の職人技が際立つ伝統工芸品から新進気鋭の若手アーティストによる現代アートまで、45個の作品を展示している。フォトグラメトリーを使用することで芸術作品をCGで再現しており、VRショールーム内ではこれらの作品をあらゆる角度から眺めた上で購入できる。

芸術作品の現物を購入する場合、NFT証明書が付与される。NFTのようなデジタル化された芸術作品の購入も可能である。雰囲気についてだが、VRショールームは芸術作品の美しさと表現を強調するために、伝統的な日本の手法に基づいてデザインされている。

「LITUP JAPAN」は日本のアーティストが作った芸術作品と伝統工芸品を世界に向けて展示するというコンセプトの下、VRコマースを通じて自らの魅力を360°発信していく。

株式会社アッシュは、国際的なステージで自らの存在を広めることに熱心なアーティストを厳選し、今後も受け入れていく予定である。

株式会社アッシュの塩野恵麻氏はアラブニュース・ジャパンの独占取材に応じ、本プロジェクトの裏側に存在するインスピレーションについて、次のように語ってくれた。「『lit』は『light』という動詞の過去分詞で、『light』は『火を付ける』とか『点灯する』という意味です。別の言い方をすると、『lit』は『火が付いた』または『光が点灯する』という形容詞的な意味に取ることができ、またスラングとしては『素晴らしい』、『楽しい』または『クール』という意味につながります。さらに、『lit up』は『lit』の同意語として使われますが、『明るくする』や『灯火で飾る』といった意味でも使います。『lit up』は日本の素晴らしくクールな芸術作品を光で照らすというコンセプトを表しているのです」

「近年、『円の弱体化』、『GDP』、『政治の不安定化』、『貧困層の拡大』といった、日本の衰退が世界中で指摘されてきました。しかし、日本には沢山の素晴らしい文化や芸術が存在しています。残念なことに、日本にはそうした文化や芸術を育み、世界に向けて広めることができる場所は多くありません。『SNSを通じて広めれば良いのでは?』と言うのは簡単です。デジタル・ネイティブや若い人々、SNSを使うのが上手い人にとっては簡単なことかもしれません。しかし、そのどれにも当てはまらない人もたくさんいるのです」

「私たちはそうした人々が日本発の様々な素晴らしい品々を広める後押しを行い、さらにその過程において、そうした物の収益化を手伝いたいと考えています。私たちの目標は、こうした素晴らしい品々の価値を高め、光で照らすための場所を作る手助けをすることです。『LITUP JAPAN』はこうした願いから生まれたプロジェクトなのです。クリエイティビティで未来を活気づけるという自分たちの使命を象徴する小さなつぼみになることができれば、私たちは満足です」と彼女は続けた。

このプロジェクトを設立する際に直面した困難について塩野氏に尋ねると、最も困難だったことは2つあるとのことだった。「アーティストや職人からは大いに疑いの目を向けられました。このプロジェクトは前代未聞の取り組みだったからです」と彼女は語った。「2つ目の困難は、作品の再現度をどうやって引き上げるかです。フォトグラメトリーという技術を使って質感や色を3Dに変換している

のですが、写真の取り方、ライトの当て方でさえも再現のされ方を変えてしまう場合があるのです。とても難しかったです」

株式会社アッシュは5月に行われたワールド・アート・ドバイ2023に參加しており、いくつかの日本の芸術作品や伝統工芸を展示していた。塩野氏によれば、ワールド・アート・ドバイでの来訪者はとても友好的かつ親切で、何より来訪者からの日本文化に対するリスペクトが感じられたことが嬉しかったとのことだ。

株式会社アッシュの今後のプロジェクトについて、塩野氏は次のように語ってくれた。「今回のプロジェクトはまだ始まったばかりですが、アートフェアや他のイベントに參加して、世界中のもっと多くの人々にこのプロジェクトについて知ってもらいたいです。また、中東のイベントについてもリサーチを行い、參加したいと考えています」

日本の芸術作品についてもっと知りたいと願う人々に対し、どういったことを勧めるかという話になると、次のように答えてくれた。「伝統工芸の師匠たちは、伝統を守りつつ情報を伝えるための新しい方法を常に探しています。なので、私が感じていることを言葉にするなら『全ての源泉はあなたの内にある』といったところでしょうか」

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