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海外で新型コロナウイルスと戦うサウジアラビア人の医師たち

41カ国に在住し、海外の医療フェローシッププログラムに参加している6千人以上のサウジアラビア人医師の多くが新型コロナウイルスのパンデミックとの戦いを続けている。(Supplied)
41カ国に在住し、海外の医療フェローシッププログラムに参加している6千人以上のサウジアラビア人医師の多くが新型コロナウイルスのパンデミックとの戦いを続けている。(Supplied)
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23 Sep 2020 09:09:07 GMT9
23 Sep 2020 09:09:07 GMT9
  • 41か国に在住し、海外で医療フェローシッププログラムに参加している6千人以上のサウジアラビア人医師の多くが新型コロナウイルスと戦っている

タレク・アル・タカフィ

メッカ:41か国に在住し、海外で医療フェローシッププログラムに参加している6千人以上のサウジアラビア人医師の多くが新型コロナウイルスのパンデミックと戦い続けており、世界中の人々を助けるために勤勉に務めを果たしている。 

これらの医師は、受け入れ国の同僚と協力して新型コロナウイルスのパンデミックとの戦いに手腕を発揮した。かなりの数のサウジアラビア人医師が、危険にもかかわらず出国を拒否し、ウイルスと戦っている同僚医師を手助けするために留学先の国にとどまっている。

フランスのトゥールーズに所在するがん病院に皮膚科医として勤務するアブドラ・ボケイズ医師は、多くの医療従事者にとって2020年は恐ろしい年だとアラブニュースに語った。

「パンデミックが始まって以来、様々な専門分野の医師、特に感染症患者に直接対応している医師は、一般人より感染しやすい病院で働いている間だけでなく、免疫システムが低下している患者に対応している間も、能力を十分に発揮してウイルスと戦ってきました」とボケイズ医師は述べた。

ボケイズ医師が勤務する皮膚腫瘍科・皮膚科のスタッフは、ステージが進行していたり、化学療法や免疫抑制剤によって免疫システムが低下したりしていることが多い外来皮膚がん患者の様々な経過観察や相談に対応する必要があったと彼はアラブニュースに語った。

パンデミックにもかかわらず腫瘍除去手術は継続して行われたとボケイズ医師は言う。「理由や治療方法に関わらず、職場環境や行動慣行、倫理慣行によって、私たちは治療の継続を義務づけられています。化学療法薬や免疫抑制剤の投与を遅らせたり、根治目的の手術を行わなかったりすると、患者に悲惨な結果をもたらすおそれがあります。私たちは、まず神を頼りにして、患者の要求に応えるために必要な予防措置を講じ、患者を支え、患者の苦痛を和らげます」と彼は言った。

「愛する母国から遠く離れているにもかかわらず、私たちが心穏やかでいられるのは、サルマン国王とモハメド・ビン・サルマン皇太子が率いる賢明なサウジアラビア政府が私たちを支援し、海外に在住しているサウジアラビア人に配慮してくれるからです」とボケイズ医師は述べた。

マルメのスコーネ大学病院の精神科研修医アブドラ・モダヤンは、2015年からスウェーデンに住んでいる。「スウェーデンの医療フェローシッププログラムに参加しているサウジアラビア人医師は50人以上いますが、それぞれが様々な都市で様々な専門分野で医療に携わっています。そのほとんどがスウェーデンの医療システムの最前線で活躍してきました」とモダヤン医師は述べた。

「医療フェローシッププログラムに参加している数人の同僚が新型コロナウイルスに感染しましたが、回復した後、スウェーデンの医療部門の同僚を手助けするために、すぐに元の職場に戻りました。注目に値するのは、スウェーデンでサウジアラビア人医師が成し遂げた仕事がここで評価されたこと、そして現在も評価されていることです」

パンデミックとの戦いにおけるスウェーデンのソフト戦略は世界で大きく報じられた。政府が店舗、レストラン、カフェを閉鎖したり、国民や住民に自宅隔離を命じたりすることはなかった。

「スウェーデンで新型コロナウイルスのパンデミックが始まったときに、この決定は重大な結果を招きました」とモダヤン医師は述べた。「死亡率が欧州最大レベルの高さになり、現実の難題に直面した医療部門は困難な立場に置かれました。サウジアラビア人医師は、この難題に直面して効率的に役割を果たしました」

パンデミックの間、モダヤン医師は精神科の救急病棟で働いた。彼は個人への心理的影響に注目した。その影響は新型コロナウイルスで愛する人を失った人に最も顕著にあらわれた。「心理的なサポートと治療を、それを必要としている人に提供することは、特にこのような困難な状況では非常に重要です」と彼は言う。

腎臓専門の外科医(腎臓疾患と尿路疾患が専門)であるアブドゥルガニ・コジア医師は、サウジアラビアとフランスのフェローシッププログラムの一環として過去7年間フランスに在住しており、パンデミックがフランスにもたらした悲惨な影響を直接目の当たりにした。 

「フランスも、他の国と同様に、当初は新型コロナウイルスと精力的に戦い、そのために、緊急性のない医療行為は停止に追い込まれました。クリニックではリモート診療が行われ、緊急性のない手術はキャンセルされ、手術が再スケジュールされ、クリニックでの診療が中止されて、他の治療が行われたため、業務の流れに大きな影響が出ました。そのため、救急科など、ウイルスと戦っている部門を支援するために私たちは病院に常駐し、常に準備をしておく必要がありました。その間、多くの必要な手術を行いました」

コジア医師は、この危機的な時期に支援の手を差し伸べ、コミュニケーションを絶やすことがなかったサウジアラビア大使館に感謝している。「私たちの学問と知識を総動員して母国に仕えるために、私たちをお守りくださり、私たちの安全な帰国を助けてくださるよう神にお祈りしています」と彼は語った。

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