ロンドン: 2003年出版のガザを描いたグラフィック・ノベルが、10月にイスラエルとハマスの間で紛争が勃発した後、急遽増刷されることになった。
マルタ系アメリカ人のジャーナリスト、ジョー・サッコ(Joe Sacco)氏によるこのコミックは、「コミック・ジャーナリズム」と呼ばれるものの先駆けであり、1991年にサッコ氏自身が現地で行った活動の物語が描かれている。
パレスチナ系アメリカ人の著名な学者エドワード・サイード氏からも「一人か二人の小説家や詩人を除いて、ジョー・サッコ氏ほど、この恐ろしい現状を表現し得た者はいない」との賞賛を受けた。
同コミックの出版社によれば、紛争が勃発して以来、同書に対する需要が急増したという。
ファンタグラフィックス(Fantagraphics)の共同設立者であるゲーリー・グロース氏は、「数千部あった在庫はあっという間になくなり、現在増刷中です。小売業者や卸売業者は、近年とは比べものにならないほど大量に同書を注文し始めました。これは、消費者や小売業者などのチェーンのあらゆる要素が、同書への需要を表明していることを示しています」と述べた。
ポートランド出身の漫画家であるサッコ氏は、イギリスのオブザーバー紙に対して、「1990年代初頭、第一次インティファーダが終わったころに訪れたときは、状況は非常に悪いように見えましたが、10年後にはさらに悪化していました」と語った。
「この本そのものがいまだに読み継がれているのは、パレスチナ人の永続的な悲劇を物語る残念な証拠ではありますが、ある意味、彼らの不屈の精神、屈服しない意志への賛辞でもあります」
「ガザに戻れるものなら戻りたい。ありがたいことに、多くの勇敢なパレスチナ人ジャーナリストが、ひどい状況や自分自身や家族に対する現実的な危険にもかかわらず、賞賛すべき仕事をしています。しかし、私がガザに戻りたい一番の理由は、ガザにいる友人たちに会うためです。彼らがこの状況を乗り切れることを願っています」