• イッサ氏は観光・考古省が他の関係当局と連携してエジプトの盗難美術品が海外へ持ち出される前に押収するという重要な役割を果たしていると述べた

ゴブラン・モハメド 

カイロ：エジプトは同国の港で押収した古代の硬貨176枚を、それらの出どころである国々、サウジアラビア、ヨルダン、イラク、中国に返還した。

返還の式典がカイロのエジプト考古学博物館で開催され、上記4か国の大使館職員が出席した。

エジプトのアフメド・イッサ観光・考古大臣はこの出来事の意義を強調し、次のように述べた。「我々は重要なメッセージを送ることができます。エジプトは自国に属するものだけでなく、他国の文化遺産、古代の出土品、文明をも保護すると」

イッサ氏は観光・考古省が他の関係当局と連携してエジプトの盗難美術品が海外へ持ち出される前に押収するという重要な役割を果たしていると述べた。さらに、古代文明を擁する他国の美術品についても、同じく押収しているという。

氏によると、ユネスコの条約（エジプトは1972年参加）およびエジプトとヨルダン、サウジアラビア、中国を含む多数の国が結んでいる二国間合意に基づき、国内の港に配置されたエジプトの中央管理当局の考古学部門が過去数年でいくつかのアラブ諸国やその他の国に属する多くの美術品を押収した。

エジプト考古最高評議会のモスタファ・ワジリ事務局長は、この動きはエジプトが他民族の文明と文化遺産の重要性を認識し、すべての国際条約や協定を順守すると決意していることに基づくと述べた。

ワジリ氏によると、エジプト当局が押収した硬貨の内、133枚はサウジアラビア、6枚はイラク、4枚はヨルダン、33枚が中国に属するものである。

押収された硬貨は所属する国々に返還されるまでの間、博物館で保管される。

イラクのアフメド・ナイエフ大使はエジプトが「歴史と文明の一部」を4か国に返還したことを称えた。

ヨルダンのアムジャド・アル・アダイレフ大使は博物館での式典は「世界の文化遺産と文明を保護するためにエジプトがささげる努力の何よりの証拠」だと述べた。

イッサ氏は4か国を代表して出席した人々に硬貨を手渡した。

エジプトの考古学当局者、ハムディ・ハマム氏によれば、サウジアラビア起源の硬貨はアブドル アジーズ・アール・サウード国王の時代を始め、異なる複数の時代にさかのぼるもので、イラクの硬貨はファイサル1世時代、ヨルダンの硬貨はフサイン・イブン・アリー王とフセイン1世国王時代、中国の硬貨は明代のものである。

2017年、エジプトはサウジアラビアとイラクに複数の硬貨を、2020年には100枚以上の盗難金貨・銀貨をサウジアラビア、インド、中国に返還している。