
ドーハ:日本はアジアカップ優勝の最有力候補とみられているが、イラク戦の衝撃の敗北により、好調を維持してきた森保一監督のチームの弱点が露呈した。
2-1で敗れた日本は、仮にグループリーグ最終試合のインドネシア戦で決勝トーナメント進出を決めたとしても、ベスト16で韓国と対戦する可能性がある。
24日の試合、日本は引き分け以上で決勝トーナメントに進出するが、19日に世界ランキングで46位下のイラクに苦杯をなめたことを考えれば、士気回復のために是が非でも勝利が必要だ。
森保ジャパンは国際試合10連勝でイラク戦に臨んだ。過去10試合の総ゴール数は43であり、これにはアウェイで4-1の快勝をあげたドイツ戦も含まれる。
2018年から指揮を取る森保監督の下、1年あまり前のカタールW杯で日本はスペインとドイツを撃破し、ベスト16の成績を残した。
だが、再びドーハの地に立った日本代表は、ハングリーなイラク代表に終始苦戦し、競り負ける結果となった。
リバプールの遠藤航が後半アディショナルタイムに1点を返したが、それ以上の反撃はできなかった。
国内の反応は手厳しく、解説者のセルジオ越後氏は日本代表の平凡なプレーを批判した。
「イラクは決勝戦さながらに全力で向かってきた」と、越後氏は日刊スポーツ紙上で述べた。
「これまでの成績から自分たちのほうが良いチームだと思っていたのか、あるいはリラックスして臨もうとしていたのか、日本の立ち上がりは非常にスローだった」
森保監督が直面する数々の課題のなかで、最大の難題はゴールキーパーだ。
経験の浅い鈴木彩艶は開始5分、クロスを相手ストライカーの目の前に弾き、これをアイマン・フサインがヘディングで沈めて、イラクが早々にリードを奪った。
21歳の鈴木は、初戦のベトナム戦でも前半に2点を奪われる失態を犯したものの、チームは4-2で逆転勝利した。
鈴木はイラク戦が代表わずか6キャップ目で、不甲斐ないパフォーマンスを演じた彼が「苦い記憶」から奮起し汚名返上することを、森保監督は期待している。
たとえ鈴木を外したとしても、森保監督の手元には、さらに国際経験の乏しい2人のゴールキーパーという選択肢しか残らない。
前川黛也の代表出場は1試合にとどまり、3人目の野澤大志ブランドンに至っては代表出場経験ゼロ。日本に頼れるゴールキーパーが欠けていることは明白だ。
「十分な経験がなければミスをするのは、ゴールキーパーでも、ほかのどんな仕事でも同じです」と、森保監督は語る。
森保監督は今回、2022年W杯のゴールキーパーである権田修一を招集しなかった。
キャプテンの遠藤は、イラクが中盤を支配し、ルーズボールで一貫して日本に競り勝っていたと認めた。
遠藤はチームメイトに、インドネシア戦では「ホイッスルが鳴った瞬間から全力でいく」よう促した。
「戦術議論もいいですが、次の試合では原点に立ち返らないと」と、彼は語った。
森保監督は、初戦と第2戦を足首のケガで欠場したブライトンのウィング、三笘薫の復帰を必要としている。
同じく初戦を欠場したが、第2戦では後半から出場したアーセナルのDF冨安健洋も、次の試合ではスタメン出場が可能だ。
イラク戦でのメンバー変更が「選手に影響を及ぼした」と認める森保監督は、過剰に手を加えることを避けるだろう。
彼は第2戦のスタメンで攻撃陣を入れ替え、中村敬斗に代えて久保建英を、細谷真大に代えて浅野拓磨を先発させた。
慎重さで知られる森保監督が、ひとつの黒星でパニックに陥ることはないだろう。
「試合後にピッチ上の選手に言ったことは、ベトナム戦のあとに言ったことと同じです」と、55歳の森保監督は語る。
「試合終了の笛が鳴った瞬間、次の試合はもう始まっているのです」
AFP