アラブニュース
リヤド:火曜日、サウジアラビアとオマーンは2カ国間の初の陸路を開設することを発表した。
ムハンマド・ビン・サルマン皇太子殿下の公式訪問に続いて出された共同声明には「サウジとオマーン間の725キロメートルの道路(中略)は両国民の円滑な移動とサプライチェーンの統合に寄与する」と記された。
オマーンのスルタン・ハイサム・ビン・ターリク国王とムハンマド皇太子殿下はマスカットで会談し、共同協力の展望とさまざま分野でその関係を発展させる手段を検討した。2人は、政治、経済、軍事、安全保障の分野で達成されている協力と協調を称えた。
双方は、サウジアラビアが主導し、オマーンも参加しているOPECプラス諸国の取り組みを、石油市場の安定とバランスに貢献しているとして評価した。また、この協力関係を続けることの重要性を強調し、加盟国にOPECプラスの協定を遵守するよう呼びかけた。
サウジアラビアとオマーンはエネルギーと気候変動の分野で協力し、中東グリーン・イニシアチブの枠組みの中で地域的・世界的に共同で取り組むことに合意した。
声明には「双方は域内貿易の流れを円滑化する設備を増やし、食料安全保障の分野における協力関係を強化することに合意した」と記された。
訪問の間に、観光、ラジオとテレビ、情報交換、視聴覚・印刷メディアの分野の覚書が交わされた。サウジとオマーンの大手企業も、複数の合意に署名した。
地域的・国際的な課題に関しては、両国の利益に貢献し、安全と安定性を高められる施策でそれぞれの立場を積極的に調整していくことに合意した。そして、中東の平和達成を目的とした取り組みをすべて支持することを確認した。
また、イスラエル・パレスチナ間の紛争の包括的な解決を呼びかけ、パレスチナの人々に1967年時点の境界で東エルサレムを首都とする独立国家を樹立する権利を保証するよう求めた。
イエメンについては、危機に対する包括的な政治的解決策を見極め、兄弟関係にあるイエメンの人々が受けている人的被害をなくすために努力を続けることに合意した。また、サウジアラビアとオマーンはイラクで最近行われた選挙の成功を喜び、新しいイラク政府が国内の安全、安定、発展のために歩み続けることを歓迎した。
「両国はスーダンの移行期に当事者間で決められた合意についても歓迎し、スーダンの安全と安定を達成するためのあらゆる働きを支援し続けることを確認し」、スーダンの人々の安定と繁栄を願うことが声明に盛り込まれた。
また、レバノンについては、危機を克服し、地域の安全と安定を壊すテロや犯罪行為の発射台とならないために、国内で包括的な改革を進めるよう呼びかけた。
サウジアラビアとオマーンは、シリアとリビアの危機を政治的に解決する必要性にふれたほか、アフガニスタンがテロリストや過激派にとっての避難所にならないように、救援活動や安全確保と安定化に向けた動きを支援するとした。
オマーンは、サウジアラビアが、アフガニスタンの状況を議論するためにイスラム協力機構諸国の臨時会合を召集したことを評価した。会合は12月19日にパキスタンで開催される。
両国はまた、イランの核・ミサイルプログラムとそれに伴う事案と影響を重大事として扱い、地域的・国際的な安全と安定性実現に貢献できるかたちで、効果的に協力して対処する必要性を強調した。そして善隣友好の原則と国連決議と国際的正当性の尊重を重視し、地域を不安定な動きから守ると述べた。
皇太子殿下の2日間のオマーン訪問は、2カ国間の親しい関係性を強めるため、サルマン国王の命を受けて実現した。今回の湾岸諸国歴訪では、UAE、カタール、バーレーン、クウェートにも訪れる。