




イケアは、スウェーデン語で喜ぶを意味する言葉にちなんで名づけられた新ホームコレクションLJUVについて、レバノン人デザイナーのナダ・デブスとの新たな協働を発表した。この協働は、伝統的な中東のパターンやシンボルを、スカンジナビアのシンプルなデザインと組み合わせたものと表現されている。
コレクションには、フロアクッション、じゅうたん、トレイ、陶器やガラス用品といった装飾用および機能的な大小の品目が含まれ、多くの客を迎えやすくする。
木と金属といった、デブスに特徴的な素材やパターンの混交というスタイルが、コレクションの品目それぞれの中に明確に反映されており、彼女のアイディア、スキル、技術をイケアの民主的デザインの5つの次元(形、機能、質、持続性を安価で提供)と織り合わされている。
デブスの手作り技術を、彼女自身のレーベルよりも安価で手軽かつフラットに包装されたコレクション内で実装することで、イケアの若い顧客に届けることを目指している。
「私はいつも手作りをしてきたので、このやり方は刺激的かつ挑戦的なものでした」とデブスは語る。
日本で育ったデブスは、デザインの知識を米国で取得し、現在はレバノンのベイルートに居住している。そこで、彼女の作品は家具デザインから手作り品、アート、ファッション、インテリアにまで発展している。
LIUVコレクションは、陶器を真鍮などの意外な組み合わせや、機械による刺しゅうや伝統的パターンをあしらったフロアクッションに使われる色の劣化といった対照的な要素を特徴としている。
デブスによると、コレクションにインスピレーションを与えたのはイスラムの聖なるラマダン月である。イスラム歴で第9月にあたり、ムスリムの家族が集まり日の出から日没まで断食する。
「この季節、多くの人を客として迎えるので、拡大家族や家族のためのスペースを作るのにフロアクッションは簡単な方法です。私の両親は常に灯篭といった小さな装飾品を所持していて、乾燥ナッツと果物と一緒にテーブルの真ん中に置いていたものでした」とデブスは語る。
ラマダンのモチーフは、フロアクッションの色と形に最も顕著に描写されている。そこでは六角形を取り入れており、伝統的な幾何学模様を思わせ、あせた色は日の出と日没に隠喩的に似せるために使用されている。
「中東では、家族というのは母と父、兄弟だけではありません。拡大家族なのですー祖母、叔母、姪、従兄弟、そして愛する友人!ラマダンの間、夕方の宴に人はみなお互いを招待し合います。私にとっては、一年のなかでもこの時期は思いやり、共感、寛容の時期なのです」とデブスは言う。
ラマダンと関連する中東のデザインにインスピレーションを受け、デブスとイケアの協働から、伝統的パターンをシンプルな要素を取り込むことで再生させるコレクションが生み出された。