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エミレーツ・リトフェスト2024、8冊の本の出版を発表し開幕を告げる

フェスティバルは2月6日までドバイ・フェスティバル・シティのインターコンチネンタルホテルで開催される。(ANJ)
フェスティバルは2月6日までドバイ・フェスティバル・シティのインターコンチネンタルホテルで開催される。(ANJ)
フェスティバルは2月6日までドバイ・フェスティバル・シティのインターコンチネンタルホテルで開催される。(ANJ)
フェスティバルは2月6日までドバイ・フェスティバル・シティのインターコンチネンタルホテルで開催される。(ANJ)
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02 Feb 2024 02:02:53 GMT9
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  • 日本人作家の川口俊和氏が2月2日に4冊目の著書について語り、2月4日にはディスカッションに参加する。
  • UAEの青少年担当相であり、JAXAで訓練を受けたこともある首長国の宇宙飛行士、スルタン・アル・ネヤディ氏は、2月3日に写真集を発表する。

マナール・エルバス

ドバイ:エミレーツ航空文学祭(エミレーツ・リトフェスト/Emirates LitFest)は31日、第16回目の開催を迎えた。オープニングセレモニーでは、イベント期間中に紹介される書籍のラインナップを発表と共に、著名な作家たちのスピーチが行われた

エミレーツ・リットフェストの出版部門であるエミレーツ文学財団(ELF)は、最近UAEの青少年担当相に任命された首長国の宇宙飛行士、スルタン・アル・ネヤディ氏による写真集を発表する。彼は以前、日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)で訓練を受け、アラブ人として初めて国際宇宙ステーション(ISS)に6カ月間滞在した。

彼のフォトジャーナルブック、『Out of This World』は、ISSから見た宇宙の美しさと、宇宙飛行士としての彼の旅を通した個人的な内省や洞察を紹介する。アル・ネヤディ氏の出版記念イベントは2月3日に開催される。

ELFは他にも、いくつかの児童書や、著名な首長国の詩人、ウーシャ・アル・スワイディ氏による詩集『The Girl of the Arabs(アラブの少女)』などを含む、7冊の本を発表する予定だ。

「2022年にELFを立ち上げたときの私たちの目的は、世界全体や現代社会の状況と密接に関わる、この地域ならではの魅力的な物語を発見することでした」と、ELFのマネージング・ディレクターであり、エミレーツ・リトフェストのCEOであるアハラム・ボルーキ氏は語った。

「これらの新しい書籍の発表を通して、私たちは地元の出版業界を支援し、地元の作家コミュニティの声を広めるという目標を再確認することになります」と彼女は付け加えた。

オープニングセレモニーに参加する、ELFのマネージング・ディレクターであり、エミレーツ・リトフェストのCEOであるアハラム・ボルーキ氏。(ANJ)

また、フェスティバルでは特別なオープニングセレモニーナイトが開催され、「2024 ファースト・チャプター・セディキ・フェローシップ・プログラム」の候補者として、ムベーナ・モハメド、ナディア・フセイン、オマー・アスフォー、シャロン・アルパライルといった作家が発表された。このプログラムは地域唯一の、世界的に認知されている作家フェローシップである。

ノミネート者は、ニューヨークのベストセラー『Romantic Comedy(ロマンティック・コメディ)』の著者であるアメリカ人作家、カーティス・シッテンフェルド氏や、『母を燃やす(英題:Burnt Sugar)』で知られるドバイ在住の、作家アヴニ・ドーシ氏といった著名な作家によって厳選された。

「2024 ファースト・チャプター・セディキ」ノミネート者(ANJ)

この夜最初のスピーチは、首長国の作家アマル・アル・サフラウィ氏によるもので、彼女は書くことへの愛を綴ったアラビア語の詩の一篇を朗読した。彼女の短い詩に続いて、ナイジェリア系イギリス人作家のベン・オクリ氏、アメリカ人詩人のクラウディア・ランキン氏、クウェート人小説家のサウド・アルサヌーシ氏、パレスチナ系アメリカ人作家のハラ・アリヤン氏による力強いスピーチ、そしてアンマル・アシュカル氏による音楽演奏が行われた。

韓国語翻訳者で作家のアントン・ホア氏やコンテンツクリエイターのディーマ・アブ・ナセル氏など、多様なゲストが出席したオープニングセレモニーは、多くの賞賛を浴びた。

エミレーツ・リトフェストのオープニングセレモニーでの首長国の詩人アマル・アル・サフラウィ氏。(ANJ)

英訳を伴わない、アラビア語中心のスピーチもあったが、ホア氏はアラブニュース・ジャパンの取材に対し、これらのスピーチが気に入っていると語った。「理解できない言語で文学を聞くのは面白い。それによって、文学がいかにパフォーマンスや作家のカリスマ性に依存しているかが実感できる」

国際的に認知された複数の韓国小説を翻訳しているホア氏が手掛けた書籍には、申京淑(シン・ギョンスク)氏の『父のところに行っていた』やチョン・ボラ氏の短編集『呪いのウサギ』などがある。また、彼は日本文学の熱心な読者でもある。

「私は川上未映子氏の作品が大好きです。彼女の作品は純粋であると同時に挑発的です」と彼はアラブニュース・ジャパンに語り、彼女の作品『すべて真夜中の恋人たち』が特に好きだと付け加えた。

一方、2月4日にホア氏のパネルでモデレーターを務めるアブ・ナセル氏は、自分自身を熱心な読書家だと考えている。「読書が大好きで、文学が大好きなので、このようなフェスティバルは自分の家のように感じます」と彼女はアラブニュース・ジャパンに語った。

彼女が日本の小説で一番好きなのは、ドリアン助川の世界的ベストセラー『あん』だという。「読んでいる間、本当に穏やかな気持ちになり、とても楽しめました」と語った。

(ANJ)

さらに、今年の主要なスピーカーの一人は、日本人ベストセラー作家であり、『コーヒーが冷めないうちに』シリーズの著者、川口俊和氏だ。同シリーズは、複数の登場人物が、コーヒーが冷めるまで過去に戻る様子を描いている。

川口氏は2022年に続き2度目の参加となる。2月2日午後7時からは、彼の4冊目の著書『さよならも言えないうちに』について語る予定だ。

「川口氏の前回のセッションは印象的でした」とボルーキ氏は以前アラブニュース・ジャパンに語っていた。「彼の著書は、世界中のベストセラーリストに載っています」

「彼はこのフェスティバルが大好きで、前回帰国した際、(彼の著書のプロットのように)もし時間を遡れるなら、ドバイへの旅行について父に語りたいという素晴らしいメールを送ってくれました」と彼女は付け加えた。

川口氏とホア氏は、2022年にジョージタウン文学フェスティバルに共に参加し、ホア氏は川口氏のパネルに出席した。「彼はとても面白い人なので、(エミレーツ・リトフェストでの)彼のパネルを観客は本当に楽しめると思います」と彼はアラブニュース・ジャパンに語った。

川口氏はまた、2月4日に開催される「Shelf Portrait(シェルフ・ポートレート)」と題されたディスカッションに参加し、国際的な作家と共に、自身の本棚の好みについて語りあう予定だ。ディスカッションは午後2時から開催される。

フェスティバルは2月6日までドバイ・フェスティバル・シティのインターコンチネンタルホテルで開催され、一部のイベントはシアター・オブ・デジタルアートで行われる。パネルディスカッションのチケットはエミレーツ・リトフェストのウェブサイトで入手できる。

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