• ファビオ・タンボシ氏が3月5日に開催予定の「ドバイ・リンクス2024 クリエイティビティ・フェスティバル」で講演する。

シャマ・クリシュナ・クマール

ドバイ：広大なゲーミング＆Eスポーツ地区「キディヤ・シティ」が先日発表になり、今夏リヤドで「Eスポーツ・ワールドカップ」が開催されることもあり、サウジアラビアは世界的な「ゲームの中心地」になるという意向をさらに強くしている。

ファビオ・タンボシ氏はESL FACEITのグローバルマーケティング担当バイスプレジデントだ。ESL FACEITは、2022年1月にサウジアラビアの「Savvy Games Group」（同国のパブリック・インベストメント・ファンドが100％株を保有）が15億ドルで買収したゲーム・Eスポーツ会社である。タンボシ氏は急成長するゲーム業界についてアラブニュースに語ってくれた。

「サウジアラビアは若者の国で、ゲームは日常生活の一部であり現在の社会を形作る存在です。人口の約70パーセントが35歳以下であり、その約67パーセントがゲーマーで、さらにその半数が女性であることから、ゲームとEスポーツは生活の一部となっています」3月5日に開催予定の「ドバイ・リンクス2024 クリエイティビティ・フェスティバル」への出席を前に、タンボシ氏はアラブニュースにこう語った。

タンボシ氏によれば、Gamers8やEスポーツ・ワールドカップのようなイベントによって、ゲーム開発者、パブリッシャー、その他の業界関係者は、サウジアラビアのゲーマーの琴線に触れるような体験を新しく生み出す機会が得られるのだという。

しかし、サウジにおけるeスポーツやゲームの真の原動力はモバイルゲームだろうとタンボシ氏は言う。

「サウジアラビアの人口の93％が携帯電話を所有していることもあり、モバイルゲームはエキサイティングな新しいエンターテイメントの形になっています。そこでプレイヤーはソーシャルゲームを体験したり、オンラインで友人とつながったりできるのです」と彼は解説する。「こうしたモバイルゲームのトレンドは、Eスポーツやゲーム対戦の成長にも貢献していて、プレイヤーにプロプレイヤーへの道筋をはっきりと示し、新しい世代の誰もがプロのEスポーツアスリートになるチャンスをつくり出しているのです」

サウジアラビアのゲーム業界について驚いたことがあったかを尋ねた際、タンボシ氏が挙げたのは、多様性がありそれが反映されていること、そしてサウジアラビアのゲーマーが多様なゲームジャンルに興味を持っていることだ。

「女性がサウジアラビアのゲーム人口の48％を占めていることもあり、ゲーム業界では次世代の女性リーダー・Eスポーツアスリートの育成・奨励に積極的に取り組んでいて、女性限定の予選会やトーナメントを開催しています」と彼は語る。

「サウジアラビアのゲームコミュニティは、多様なゲームジャンルに強い関心を示し、新しい技術をすぐに導入しています。国内外で制作されたコンテンツや革新的なゲームプラットフォームなどですね。様々なゲーム体験に対するこうした寛容な姿勢は、サウジアラビアのゲーマーが文化的に豊かで適応力があることを浮き彫りにしているんです」

サウジアラビアのゲーム界で次に大きな注目を集めるのはモバイルEスポーツになりそうだが、タンボシ氏は他のトレンドについても語ってくれた。AR（拡張現実）・VR（仮想現実）ゲームや、サウジのゲーマーの言語的・文化的嗜好に応じたローカライズされたゲームタイトルなどだ。

「Eスポーツ団体、ゲームコンテンツクリエイター、従来のエンタメの間でのコラボレーションは、これからさらに一般的になり、この分野におけるイノベーションを生み出す可能性があります」そう彼は解説する。「そうしたコラボレーションには、ミュージシャンやインフルエンサー、その他のエンタメ関係者と連携して、魅力的な独自のコンテンツをつくることなどがあるでしょう」