
ドバイ:1970年代以降、アラブ文化は日本のアニメの多くの側面に影響を与えてきた。多くの番組がアラブ人のキャラクターや要素、イスラム文化を盛り込んいるからだ。
一方アラブ世界では、多くの人々が吹き替えられた日本アニメを見て育ち、子供時代に欠かせないものだった。例えば、『未来少年コナン』、『キャプテン翼』、『ポケモン』などである。
しかし、アラブ文化が何十年にもわたりアニメに影響を与えてきたことを、多くの人は見過ごしている。日本ではイスラム教徒のコミュニティが拡大しており、アラブの影響は今後も続くと予想される。
聖なるラマダン(断食月)に視聴者が楽しめる、アラブやイスラムの要素を取り入れた日本のアニメ番組をいくつか紹介しよう。
1980年代に中東の子供たちの間で大人気となったこの愛すべきアニメは、黒川文男が監督し、1975年に日本アニメーションが制作した。
全52話からなるこのアニメは、バグダッド出身の若い商人シンドバッドが、シェーラという名の鳥とともに中東のさまざまな土地で冒険を繰り広げる姿を描いている。
アニメは、中東の民話集『千夜一夜物語』の物語をゆるやかに再現している。シンドバッドは、アラジンやアリババなど、民話集に登場する複数のキャラクターとしばしば出会う。
この番組は、二次的な登場人物がモスクで祈りを捧げるシーンを見せながら、子供たちにイスラム教に関するいくつかの核となる価値観を教えている。
アラビア語吹き替え版の第1シーズンは、ストリーミング・プラットフォームShahidで見ることができる。
「マギ The labyrinth of magic」は、同名の漫画を原作とするファンタジーアニメである。シンドバッドの冒険」と同様に、このアニメも「千夜一夜物語」の要素、キャラクター、ストーリーを取り入れている。
主人公のアラジンがアリババという商人に出会うまでを描く。アラジンとアリババは、中東のさまざまな国々を冒険しながら、貴重な品々を手に入れ、友情を育んでいく。シンドバッドとの出会いも2シーズン通して何度もある。
この番組は、親しみやすくも激しいアクションシーンに満ちた、エキサイティングなストーリーを求める人に適している。漫画に興味がある人は、スピンオフシリーズ 『マギ シンドバッドの冒険 』も読むことができる。
漫画シリーズを原作とするこのアニメの第1巻の舞台はパキスタンで、主人公は敵役のユスフ・アリ・メッサが実行する人質交換の交渉を望んでいる。
番組を通して、主人公のユーゴは友人を通してイスラム文化を探求する。番組中、彼は友人たちの祈る姿を見るためにモスクを訪れる。さらに、彼の味方の1人は、ダコイト(盗賊団)からイマーム(聖職者)に転身したハジ・ラーマニで、彼はユーゴを助けることで名誉を回復しようとする。
原作はカトウコトノの漫画で、舞台はオスマン帝国をモチーフにしたトルコの架空の都市。主人公のトゥーリール・マフムートが、隣国の帝国の侵略から国を守る姿を描いている。
この番組では、戦いに勝利したマフムートがスジュド(キブラに向かい神にひれ伏す行為)を行うシーンが登場する。明確には言及されていないが、アハメドやマフムドなど、イスラム風の名前を持つ登場人物も多い。
ムハンマド・ビン・サルマン皇太子のミスク財団の子会社であるマンガ・プロダクションが制作した『ジャーニー』は、日本・サウジアラビア初のアニメーション映画である。主人公のアウスが、聖地メッカを破壊から守るために兵士たちに加わる姿を描く。原作は有史以前のイスラム時代。
日本版では有名声優たちが起用され、ガンダムシリーズの古谷徹が主人公の声を担当している。