
カンヌ:39年にわたり、トトロや不思議なクラゲ、浮遊するお城などの物語で映画ファンを魅了してきた、超現実的な世界の驚きを生み出す日本のアニメスタジオ、スタジオジブリが、月曜日、カンヌ国際映画祭から名誉パルムドールを授与された。
カンヌ国際映画祭が名誉パルムドールを授与するようになって22年になるが、ジブリの受賞は、個人の映画監督や俳優以外では初めてのことである。1985年に高畑勲監督、鈴木敏夫監督とともにスタジオジブリを設立した83歳のアニメーション界の巨匠、宮崎駿監督は授賞式には出席しなかったが、日本で録画したビデオメッセージで、
「どういうことか全くわからないけど。でも、ありがとう」と述べた。
スタンディングオベーションが止まないカンヌ映画祭で、ジブリの代理である宮崎吾朗氏(駿監督の息子)と:依田謙一氏は熱狂的に迎えられた。それは映画祭で最も喝采を浴びたレセプションのひとつであった。カンヌ国際映画祭のアーティスティック・ディレクターであるティエリー・フレモー氏は、グラン・テアトル・リュミエールのステージを横切り、宮崎監督に送るビデオを撮影していた。
「このパルムドールをもって、あなたが映画界にもたらしたすべての魔法に感謝します」と映画祭会長のイリス・クノブロッホ氏は賞を授与した。
この日は、ジブリの新作ではなく、日本国外では未公開の4本の短編が上映された。宮崎監督が1989年に発表した『となりのトトロ』に続く短編『メイと赤ちゃん猫バス』は、あの名作『となりのトトロ』の猫バスを、ミニ赤ちゃん猫バスを筆頭に、猫の乗り物全体に拡大したものだ。
短編映画には、東京郊外にあるスタジオジブリ美術館のために制作された、宮崎監督の2001年の映画『千と千尋の神隠し』のデザート的な作品として、料理をテーマにした『パン種とタマゴ姫』も含まれている。他の2作品「やどさがし」と「毛虫のボロ」は、森の生き物たちの音楽ミニアドベンチャーだ。
このスタジオジブリの祭典は、宮崎監督待望の『少年とサギ』が3月のアカデミー賞でアニメーション映画賞を受賞したことを受けて開催された。(その制作過程を追ったドキュメンタリー『宮崎駿とサギ』もカンヌで上映された)。
宮崎監督はその授賞式も欠席したが、『コクリコ坂から』や『ゲド戦記』などの自作を持つ宮崎吾朗氏は、父がオスカーを受賞したときは、持って帰るためにホテルのタオルで包んだという。月曜日、彼はカンヌのトロフィーが持って帰られるもので安心したという。
「パルムドールが箱に入っているのを見て、安心しました」と笑いながら彼はいった。
AP