
ロンドン:人工知能を搭載した人間型ロボットのアーティスト、アイーダが書いた絵画が、その種のロボットとしては初めて、大手オークションハウスで販売されることになったと、主催者が水曜日に発表した。
来月、ロンドンのサザビーズで競売にかけられる予定のこの作品は、現代コンピューティングの父の一人とされる英国人数学者アラン・チューリング氏の「心に訴えかける」肖像画とされている。
「AI God」と題されたこの肖像画は高さ2.2メートル(7.5フィート)あり、10万ポンド(13万ドル)から15万ポンド(19万6000ドル)の落札価格が見込まれている。
サザビーズによると、デジタルアート作品を幅広く取り揃えたオンライン販売は、アートとテクノロジーの交差点を探求するものとなる。
この超リアルなロボットは、顔、大きな目、茶色のカツラで人間の女性に似せてデザインされており、世界でも最も進化したもののひとつである。
AIアルゴリズムを使用して動作し、目とバイオニックハンドにカメラが搭載されている。
ギャラリーのオーナーであり、Ai-Da Robotスタジオの創設者であるエイダン・メラー氏は、英国のオックスフォード大学とバーミンガム大学の人工知能専門家たちとともに、このロボットを制作するチームを率いた。
メラー氏によると、第二次世界大戦中の暗号解読者、数学者、初期のコンピューター科学者として名を馳せたチューリングは、1950年代にAIの利用について懸念を示していたという。
同氏は「この作品の『抑えられたトーンと崩れた顔面』は、AIの管理に関してチューリングが警告した『我々が直面するであろう苦闘』を暗示しているように見える」と述べた。
Ai-Daの作品は「幽玄で心に響く」ものであり、「AIの力が私たちをどこへ導くのか、その力を利用しようとする世界的な競争が私たちをどこへ導くのかを問い続けている」と付け加えた。
2022年には、Ai-Daはグラストンベリー・フェスティバルのヘッドライナーを務めたビリー・アイリッシュ、ダイアナ・ロス、ケンドリック・ラマー、ポール・マッカートニーなどの肖像画を描いた。
サザビーズのデジタルアートセールは10月31日から11月7日まで開催される。
AFP