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アラブ首長国連邦の人気漫画「フリージ」が初めて日本で吹き替え放送さ れる

中東の漫画「フリージ(Freej)」がアラブ系のアニメ番組として初めて日本語に吹き替えられ、放送されることになった。(他社供給)
中東の漫画「フリージ(Freej)」がアラブ系のアニメ番組として初めて日本語に吹き替えられ、放送されることになった。(他社供給)
中東の漫画「フリージ(Freej)」がアラブ系のアニメ番組として初めて日本語に吹き替えられ、放送されることになった。(他社供給)
中東の漫画「フリージ(Freej)」がアラブ系のアニメ番組として初めて日本語に吹き替えられ、放送されることになった。(他社供給)
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20 Apr 2020 01:04:06 GMT9
20 Apr 2020 01:04:06 GMT9

Amin Abbasドバイ

2006年に初放送されて以来、中東の漫画「フリージ(Freej)」がアラブ系のアニメ番組として初めて日本語に吹き替え放送されることになった。フリージは昨年1月、TOKYO MXで放映された。

この番組は初放送以来中東全域で世代を超えて人気を博している。

この3Dの漫画番組シリーズは、現代のドバイのあまり人目につかない一角に住んでいる4人の高齢の女性たち(Um Saeed、Um Allawi、Um Saloom、Um Khammas)を主人公とするストーリー。彼女たちはどんどん大きく急成長していくドバイの街のど真ん中で静かに暮らしていたのだが、この街の急成長によって新たな社会問題が日々生まれており、彼女たちは自分たちなりの単純かつ滑稽な方法でそうした問題に立ち向かい、解決していく。

フリージの作者モハメド・サイード・ハリブは、その背景としてアートやアニメを学び、写真、色彩理論、3Dデザインへも非常に熱心に取り組んでいた。

「アニメーションの勉強をするのは大好きでしたが、このような取り組みを始めることは考えてもいませんでした」と彼は言う。

「フリージは大学のプロジェクトとして始めたものです。大学で、我々の文化を外の世界へ伝えられるような登場人物を考え出すよう言われました。最初私はアラジンやアリババのような感じの登場人物を描いてみました。それが私の文化背景でしたから」と彼は説明する。「でもそれは教授から即ダメ出しされました。そして、現在の自分たちのごく身近な文化を捉えなければいけないと言われました。その時になって、我々にはその方面が欠落しているということに気がつきました。」

ハリブによると、彼の祖父は真珠採りの船の船長で、数世代も前の男性たちについては十分なドラマや冒険ストーリーがすでに出揃っていると感じた。

「そこで私は、今まで誰もメディアの題材に取り上げていなかったおばあさんたちについてのほのぼのしたストーリーに目を向けたのです。おばあさんたちの身体的・社会的な持ち味が気に入っていました。おばあさんたちというのは、手厳しい言葉でなにかと苦言や忠告を呈するというのが一般イメージですが、私はそのことについて何かとても妙味のある愉快なものを感じ、かつ健全なものでもあると感じていました」と彼は続けた。

1998年にこのフリージ作者ハリブは、最初の主人公としてまず自分の祖母のイメージをもとに、Um Saeed(Saeedの母親)を生み出した。2003年になって彼はフリージの制作を企画し始め、2006年にシーズン1を初放映した。

ハリブによると、この番組の中で彼が苦労したこととして、制作費が高額であること、そしてこのアニメ番組の脚本家を見つけることだったという。

また、この番組のそれぞれの登場人物たちにぴったりの声優を見つけるのにも苦労したと  言う。

「この番組の放送に向けて、私たちは熱心に独創的な方法をによって問題の解決に当たりました。出演者は全員私の友達でした。プロジェクト全体を管理運営する上で、UAE とインドの間を週に2回、6ヶ月間にわたって往復しながら自分で脚本を書いたりもしました」とハリブは語った。

「15年経ってフリージを振り返ってみれば、なんとこの番組が中東No.1の文化的エンターテイメント、そして世界的にも最も著名なアラブ系メディアブランドの一つとしてその座を確立していました」と彼は言い添えた。

ハリブによると、ほとんどの中東のテレビ番組は3シーズン以上続かないのだが、フリージは5シーズン続いたと言う。

また、フライドバイの便で飛ぶ際には、この番組がドバイの顔であり文化的アイドルとなっている、とハリブは言う。

日本のアニメや文化から受けた影響について、彼はこう語る:「子供の頃からアラビア語に吹き替えられた様々な日本製アニメシリーズを観てきました。アラビアンナイト-シンドバッドの冒険、キャプテン翼、未来少年コナン、アストロガンガーなどです」

ハリブは2度日本を訪れたことがあり、「食べものの感じや原宿のような場所」を楽しんだと いう。

フリージの日本語吹き替えについて、ハリブはアラブニュースジャパンにこう語る:「 在UAE日本大使館が組織した日本からの派遣団を迎えましたが、その中にはソニーミュージックをはじめ多くのメディア企業が含まれていました。彼らは私たちのスタジオを訪問し、中東の作品を日本で放送することに大変前向きでした。」

「題材を探す中で、彼らはフリージを選びました。中東の魅力を紹介し、日本市場の関心を引く内容という要件にフリージがふさわしいものだったからです。また、エミラーティ(生まれも育ちもUAEという生粋の市民)の文化は、年上を敬うという日本文化と共通するものがあります。というわけでフリージが全ての条件を満たしたわけですが、一部の懸念もありました。この番組は中東の人々を対象に制作されたものであるため、その文化をさらけ出して他の国々でも楽しんでもらうには、何らかの問題もあるであろうことを覚悟していました。ですが結局私たちは契約を最終締結し、2019年1月に日本で放送されることにこぎつけたのです」と彼は語った。

ハリブは日本語版フリージに起用された声優の声に満足していると言う。

「日本の女優、高畑淳子さんが日本語吹き替え配役の責任者で、番組の中のUm Saeedの声優を担当してくれていますが、日本語吹き替えは上出来でした」とも語った。

ハリブによると、日本の視聴者からの反応や感想は「とても良い」と言う。

「中東からの作品を観ることができてとても喜んでいましたし、中東について一層興味を持ったようです。フリージの全5シーズンすべての吹き替えをしました」と述べた。

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