
東京:日本を代表するポップスターであり、テレビ司会者でもある中居正広が、セクハラ疑惑を受けて木曜日に引退を発表した。これは、日本のエンターテイメント業界を揺るがしている最新のスキャンダルである。
中居正広の引退は、今は解散したジャニーズ事務所が2023年に、同社の創設者である故・ジャニー喜多川氏が数十年にわたって10代の少年や若い男性に性的暴行を加えていたことを認めた後に発表された。
中居(52)は、解散したSMAPのメンバーであり、ジャニーズ事務所の所属タレントであった。SMAPは、約30年にわたる活動期間中、アジア全域のチャートを席巻した。
先月、人気司会者である中居が、匿名の女性に9000万円(57万ドル)を支払ったという報道が浮上した。
これは、2023年に「週刊文春」が「彼女の意に反する性的行為」があったと報じたことに続くものだった。
今月、フジテレビは中居が司会を務める番組を休止し、他の主要ネットワークも同様に司会者を降板させた。
木曜日、中居は声明を発表し、芸能界から完全に身を引くことを明らかにした。
「今後も、どんなことにも真摯に向き合い、誠意を持って対応していく所存です。すべては自分自身の責任です」と中居は述べた。
女性に対しては「心よりお詫び申し上げます」と謝罪し、最後に「37年間ありがとうございました。さようなら」と締めくくった。
中居は今月初め、一部報道は「事実と異なる」とする声明を地元メディアに発表していた。
彼の引退は日本中を驚かせた。他の3人の元SMAPメンバーは地元メディアに対し、「言葉がない」と語った。
「ニュースを聞いてショックだったが、メディアで見た限りでは、彼の引退は避けられないと思う」と、東京で買い物客としていた水井奈緒子さん(51)は語った。
「彼が芸能界で仕事を続けるのは難しいだろうと感じる。悲しいことだが、受け入れるしかない」とAFPに語った。
同じく買い物に来ていた久野薫さん(54)は「悲しい」としながらも、「女性としては残念だ。女性に対して敬意が感じられない」と付け加えた。
不倫騒動の対応をめぐっては、フジテレビにも批判が集まっており、数十社もの一流ブランドが同局の広告を取りやげている。
木曜には、同社の株価は7.8%下落した。
週刊文春や他のメディアは、フジテレビの幹部が中居の女性との面会を組織的に取り仕切っていたと主張している。
フジテレビはこれらの主張を否定しているが、先週、米国の活動家投資家が同社の透明性の欠如に「憤慨している」と述べたことを受け、この問題を調査中であると発表した。
放送局の親会社であるフジ・メディア・ホールディングスは木曜日、日本弁護士連合会のガイドラインに従い、第三者による調査委員会を設置することを決定した。
この発表は、緊急の取締役会が招集され、出席者からこの問題への同局の対応について「厳しい批判」が寄せられた後に行われたと、金光修社長が記者団に語った。
この事件は他のテレビ局にもスポットライトを当て、地元メディアは、有名人と若い女性が参加するディナーや飲み会が日常茶飯事であると報道した。
日本テレビを含む他のテレビ局は、有名人と女性との間で同様のイベントが企画されたかどうかについて、独自の調査を行うと発表した。
同志社女子大学でメディア学を教える影山貴彦教授はAFPの取材に対し、「この事件は、テレビ局が番組制作のあり方を再考するきっかけになることを期待する」と述べた。
「女性が対等な人間としてではなく、テレビ番組制作を円滑に進めるための潤滑油のような存在として扱われているのであれば、このような慣行はもうやめるべきだ」と彼は語った。
音楽界の大物、喜多川氏は2019年に87歳で死去したが、数十年にわたり、スターを夢見る十代の少年や若い男性に性的暴行を加えていたことを、彼の代理人は2023年にようやく認めた。
彼に関する疑惑は数十年にわたって取り沙汰されていたが、BBCのドキュメンタリーや被害者による告発を受けて補償を求める声が高まったのはその年になってからだった。
日本の芸能界は、人気お笑い芸人の一人である松本人志氏による新たな衝撃的な性的暴行スキャンダルで揺れた。
11月、松本氏は、女性に無理やりオーラルセックスを強要し、別の女性に無理やりキスをしたなどとする主張を掲載した「週刊文春」誌を相手取った名誉棄損訴訟を取り下げると述べた。
AFP