
アブドルアジーズ世界文化センター(Ithra)では、2月8日まで開催される「ジャパン・カルチャー・デイズ」の一環として、サウジアラビアの代名詞ともいえる日本の伝統衣装「着物」を間近で見ることができる「着物展」を開催している。
Ithraのクリエイティブ・プログラム・スペシャリスト、マハ・アブドゥルハディ氏はアラブニュースにこの展覧会の意義をこう説明した。
「ジャパン・カルチャー・デイズの着物展は、単なるファッションのショーケースではなく、深い文化体験です。日本の芸術的遺産を称え、現代世界における伝統の適応性を示し、日本と世界の観客との文化交流を強化するものです」とアブドゥルハディ氏は語った。
日本の伝統と職人技の最も象徴的なシンボルのひとつである着物は、日本の豊かな文化的アイデンティティと織物芸術性を表現する役割を果たし、染め、織り、刺繍といった何世紀にもわたって受け継がれてきた技術を紹介すると同時に、現代のデザイナーが着物を現代風にどのように再解釈したかを示してきた。
また、この展覧会では、さまざまな祝い事における着物の意義に焦点を当て、行事によって着物のスタイルがどのように異なるかを紹介している。
着物の柄や生地には、季節の移り変わりや祭り、芸術的な美意識が反映されることが多く、日本文化とのつながりがより強調される。
この無料展示会では、日本の象徴的な装いである着物の進化を強調するために厳選された、合計17点の着物が展示される。
10点の着物は福島の日本きもの博物館から貸し出されたものだ。これらの着物は、明治、大正、昭和の職人技と美的感覚を反映した、さまざまな時代のアンティーク着物である。2022年に開館した「日本きもの博物館」は、小物を含め約1万点に及ぶ日本最大の着物コレクションを収蔵している。
アブドゥルハディ氏は、「日本きもの博物館から展示された打掛のうちの1枚のデザインは、パリ・ファッションウィークなどで活躍したファッションデザイナー、山本寛斎氏によるものであることを付け加えておきます」と付け加えた。
歴史的な作品に加え、日本を拠点とする個人コレクターからの7点の着物が展示され、伝統的な衣服の現代的な解釈が紹介された。
着物のセレクションは、Ithraのミュージアム&エキシビション部門がキュレーションした。キュレーター・チームは、着物の進化を紹介することに重点を置き、その複雑な染色技術、精巧な職人技、伝統と遺産の魅惑的な物語を伝える地域的なスタイルを強調した。
1月23日に始まったこのイベント全体は、ファッション展示会という枠を超え、サウジアラビアと日本の国交樹立70周年を祝う両国の文化交流を促進するために企画された。