





アシール・バシュライル
ジッダ:サウジの冬は観光への出費に最適な季節だが、アラビア半島で最も人気あるスポットのひとつであるシャダ山は、国内、アラブ諸国、欧州からの観光客を魅了する有名な目的地へと変貌を遂げてきた。
シャダ山はサウジ南部のアルバハに位置し、地上1700メートルの高さだ。地質は花崗岩からなり、非常に多様な植物や緑に恵まれている。
標高の高い場所と低い場所とで別れるこの山は非常に入り組んでおり、長い時代を経てきた。巨大な洞窟は複数の文明の地として使われ、サムーアやサバアの民族の時代にまで遡る彫刻が残っている。
ナシル・アル・シャダウィ氏は歴史研究家であり、観光地へと変貌した洞窟のひとつを所有している。観光客が入れるように洞窟を広くして観光地化を試みたのは、自分が最初かも知れないと彼はいう。
「これらの洞窟はかつて家として機能していたもので、露出した面に小さな建物を建てるだけでよかったのです。私は花崗岩でできた洗面台と蛇口も取り付けました」と彼はアルアラビーヤ・テレビに語った。
アル・シャダウィ氏は、観光客たちを洞窟へ誘導するとともに入る前から体験の予感が味わえるようにするために、洞窟へと続く道に石をあしらった。
一般人にも詩人たちにも人気のこの山については、アブ・モハンマド・アル・ハマダニ氏やヤキウト・アル・ハマウィ氏など、アラブの複数の詩人や探検家たちが言及してきた。
サウジの人々はこの観光地に注目するようになり、ぜひとも自分の目で見てみたいと思っている。実のところ、有名な詩人たちがここに感化されたことを知ってからここを訪れたいと思うようになった人々もいる。
「この神秘的な洞窟を探検したとき、詩人たちが何を見て、どう感じたかを感じてみたいと思いました。これらの山々やその稀有な存在は、アルバハがもつ歴史や文化の豊かさを増幅させます」と、ジッダの大学で語学講師を務めるアマニ・アル・ゴライビさんは語った。
アル・ゴライビさんは、洞窟の雰囲気が最も重要な側面であり、最大の魅力となっていると述べた。「観光客を招き入れ、この洞窟を探検してみたくなるような、心を魅了して止まない美しさがあります」と彼女はアラブニュースに語り、「それらは現代の生活から感じ取れるものを超えた、古代の歴史を映しているようにもみえます」といった。
アマル・トルキスタニさん(55歳)は、国内の冒険旅行に挑戦しているが、シャダ山が新たな冒険先を提示してくれたという。
「史跡への興味やそれらを再生するための投資は、ここサウジアラビアでかつてないほど盛り上がっており、それによって、家族や友人同士で様々なアクティビティを共有することができるようになりました」と彼女はアラブニュースに語った。
自身の成長過程ではこのような贅沢がなく、他の国の歴史や文化を追っていたとトルキスタニさんは述べた。サウジの驚くべき場所が明らかにされた今、それらを知りたいと思うとともに、孫たちにも紹介したいと彼女はいう。
「私が心から残念に思うのは、自分の国について学んでこなかったことであり、私の子供たちにもその手掛かりがありませんでした。ぜひ家族を連れてこの洞窟を探検し、数日間、過去に浸ってみたいと思います」と彼女は付け加えた。