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あの娘は誰だ?サウジのメイクアップアーティスト、時代に伴う女性の顔の変遷を研究する

コロナ禍が到来し、サウジの前衛的メイクアップアーティスト、サルワ・コシャク氏は自分のアートを追求するチャンスが訪れたことに気づいた。(提供写真)
コロナ禍が到来し、サウジの前衛的メイクアップアーティスト、サルワ・コシャク氏は自分のアートを追求するチャンスが訪れたことに気づいた。(提供写真)
マリリン・モンロー (提供写真)
マリリン・モンロー (提供写真)
マリリン・モンロー (提供写真)
マリリン・モンロー (提供写真)
写真/提供
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05 Jun 2021 03:06:50 GMT9
05 Jun 2021 03:06:50 GMT9
  • サルワ・コシャク氏は、クリエイティブなメイク術を駆使し、流行の歴史と進化に対する情熱をシェアしている

ディーマ・アル・クデール

ジェッダ:写真の顔は見覚えのあるもので、ポーズを見るとすぐに誰か分かる。マリリン・モンローの象徴的なファッションだ。オードリー・ヘプバーンの洗練されたスタイル。Netflix配信のドラマ『クイーンズ・ギャンビット』でアニャ・テイラー=ジョイが演じた、チェスの世界で頭角を現していく女性ベス・ハーマン。

だが、もう少しよく見ると、ひねりを加えているのが分かる。これは有名人の記録写真ではなく、サウジアラビアの前衛的メイクアップアーティスト、サルワ・コシャク氏の作品なのだ。

クリエイティブなメイクアップ技術を駆使し、ウィッグ・ビーズ・ステッカーなどのアクセサリーを多少加えると、彼女は実在・架空を問わずあらゆる人物に変身できるのだ。

メイクアップ用語では、前衛(アヴァンギャルド)とは空想と想像力を取り入れた、大胆で表現力豊かな芸術的メイクのことを指す。

コシャク氏にとりアヴァンギャルドとは、レトロでヴィンテージなすべてのものに対して抱く愛着を表現することだ。昔の有名人の文化やスタイルだけでなく、現代のものからもインスピレーションを得ている。

モンローやヘプバーンなどの女優、デヴィッド・ボウイやシェールなどのポップスター、さらには『美女と野獣』のベルなどのディズニーキャラクターのルックスやスタイルの再現に加え、33 歳の彼女はユニークなメイク作品も発表している。パックマンなどのテレビゲーム、『スター・ウォーズ』などの映画、バレンタインデーなどの特別な日をテーマにしたメイク作品だ。

 

このサウジアラビア人メイクアップアーティストは現在ジェッダに住んでいるが、小学校から高校まで青春時代のほとんどをフロリダ州オーランドで過ごした。オーランドで彼女は、ディズニーワールド・ユニバーサルスタジオ・シーワールドなどのテーマパークが提供するエンターテインメントに刺激を受けて育った。

「クリエイティブで想像力にあふれた場所に色々としょっちゅう通っていました」とコシャク氏はアラブニュースに語った。

「メイク・スタイリング・衣装にずっと夢中でした。ファッションとは何かを表現する手段だと私は思います」

「ラジオやテレビなどメディアは色々とありますが、最大のメディアとは人間だと思います。人とその人となり・個性・体とその動きを使って、ストーリーやアイデアをシェアするメディアなのです。人間は、ただの芸術作品やテレビ番組など以上の発信力を持つことができると思います」

広報とマーケティング業界で10 年間築いたキャリアの中で、コシャク氏は数多くの写真家・ファッションモデル・メイクアップアーティストとコラボレートする企業と共に仕事をしてきた。まだアメリカに住んでいた10代初期の頃には、モデルの仕事をオファーされたが断ったという。

「1人でモデルの仕事をすることにはあまり魅力を感じませんでした」という。

「私はアイデアを形にするのが好きで、もっと自分の思い通りにイメージを作り上げたいんです。

楽しいものや美しいものなら何でも作れますよ。画像編集ソフト・メイク道具・布地といった手持ちの道具で、どんなものでも作れます。こうしたものすべてを使ってストーリーを伝えられるのです。

サルワ・コシャク

「自分の顔に絵を描いて、ビーズ・ステッカー・人形などを貼り付けるのが好きなんです。シェアしたいと思うテーマを表現するためなら、何でも利用します」

ファッション業界や美容業界は、常に女性たちにプレッシャーをかけて一定の型にはまったメイクをさせている。しかしコシャク氏は、メイクしないと自分の魅力が落ちるのではと気に病むのではなく、メイクとは楽しむためのものだということを世の女性たちに教えたいと考えている。

「メディアやマーケティング業界で長らく働いてきた人間として、私は人々に伝えたいことがあります。何にせよ自分が好きな恰好をすればよいのですし、化粧品なんて道具にすぎないのですから真剣に悩む必要などありませんし、完全にモデルそっくりになれる人なんていません。これが最も伝えたいことですね」と彼女は語った。

「メイクをポジティブにとらえて、ただのアートだと分かってほしいのです。メイクしなくても構いません。必要でもないです。見た目を規定するものではありません。ちょっとした夢と道具を使って、本人がなりたい自分になるためのものです」

コロナ禍になって、コシャク氏は自分のアートを追求するチャンスが訪れたことに気づいた。

「コロナ禍で外出できなかったからこそ始められたのです」と語った。

「最後に仕事をした場所はダル・アル・ヘクマ大学で、マーケティング学科長を務めると同時に、ブランドマネジメント戦略を学生に教えていました」

「これが最後のフルタイムの仕事でした。終わってからはしっかり休んで、自分がやりたいこととは何かを真剣に考えました。長いこと会社勤めだったので、正直言って繰り返しの生活に飽きていたんですよ。おまけにアイデアを表現する手段が、創造性やアートではなく、もっぱら文章や戦略立案でしたから」

そこで昨年のロックダウン中に、彼女はアヴァンギャルドなメイクアップ術を考案・開発し、成果をSNSで公開するようになった。

そうするうちに機材を買いそろえ、新しい技を覚えて、自分の作品を最大限にアピールできるようにした。たとえば、作品を完璧に思い通りに仕上げられるよう、Photoshop などの画像編集ソフトの使い方を覚えていったのだ。

コシャク氏は前衛的なコンテンツを作るため他人に頼らざるを得ないのは嫌だという。さらに見た目を気にして「ファッショニスタ」になる必要はなく、女性の魅力と美に関する昔ながらの考え方に常に縛られる必要もないことを示したいという。

「楽しいものや美しいものなら、何でも作れます。画像編集ソフト・メイク道具・布地といった手持ちの道具で、どんなものでも作れます。こうしたものすべてを使ってストーリーを伝えられるのです」とコシャク氏は語った。

加えて、自分の作品は一種の社会的主張だと思っていると述べた。美しさ・メイク・SNSがある意味進化して単なる自己顕示ではなく、どちらかというと自分の趣味を見せる場で、人々が自らの才能や情熱を注ぐものをシェアする手段となるように持っていきたいという。

「自分の才能や好きなものを紹介するとなると、事情は大きく変わると思います」とコシャク氏は語った。「サポーターやコミュニティができ、同じように考え、同じ分野で働きたいと考えている多くの人々と出会えます」

「私はあまり若くないので、キャリアを切り換えるのに時間がかかりました。でも好きでもないことは続かないし、永遠にやり続けるなんて無理なんです」

コシャク氏は自分のことを「歴史オタク」だと説明し、1920年代~1990年代にかけて、メイクやスタイルが数十年かけてどう進化・変化したかを研究するのが好きで、古いメイクを再現するのは楽しいと語った。

さらに、古いスタイルの多くは当時を象徴するもので、当時の社会を定義するのに役立つと述べた。だからファッションやアートに興味がある人なら誰でも歴史を楽しく勉強し、本をたくさん読まねばならないという。さまざまな時代に人々が着ていた服は、ヘアスタイルやメイクと同様、その時代の「社会的主張」の一部だと付け加えた.

コシャク氏は、YouTubeチャンネルを開設する予定で、必ずしもメイクのコツなどを教えるものではなく、自分のメイク作品に関する洞察を伝えたいと語った。作品が歴史からどういったインスピレーションを受けており、自分がメイク作品を生み出す過程を視聴者に伝えたいという。

「私のYouTubeチャンネルでは、歴史・メイク・アート・美について解説する予定です」と語った。「面白くて、楽しくて、勉強になる動画コンテンツを作成するのが夢ですね。教えるのは大好きです。できるだけ多くの情報をシェアして、皆さんがオリジナルのメイクを生み出すやり方をお教えしたいと思います」

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