


アミン・アッバース
ドバイ:マンガプロダクションズと東映アニメーションの初の長編アニメーション映画『ジャーニー 太古アラビア半島での奇跡と戦いの物語』が6月15日、ドバイの中東VOXシネマで封切られた。
初演に先立ってプレス向けのパネルディスカッションが開催され、マンガプロダクションズCEOイサム・ブカーリ氏、同社アートディレクター補佐ファラー・アリフ氏、VOXシネマ最高コンテンツ責任者トニ・エル・マッシー氏、主人公「アウス」のアラビア語版声優ナッサール・アル・ナッサール氏が出席した。
パネルのメンバーは、映画の制作と発表に際し、思いと経験を披瀝した。
アリフ氏はアラブニュースジャパンの独占取材にこう答えた。「とてもワクワクする映画です」、2018年に制作を開始し「ようやく映画館での上映を迎え、皆さんに見ていただけるようになりました。皆さんの感想をうかがうのが楽しみです。ストーリー、登場人物、アートスタイルとも驚きに満ちていて、動画の質と物語の新しい世界を体験させてくれるはずです」
VOXシネマ最高コンテンツ責任者のマッシー氏によると、『ジャーニー』は中東で公開された初の日本・サウジ共同制作の長編アニメーション映画である。
同氏はこう付け加えた。「公開にあたっての期待は大きいです。中東地域の観客から、映画館で見るのが待ち遠しいという大きな反響をいただいていますから」
主人公「アウス」のアラビア語声優アル・ナッサール氏はこう述べた。「主人公アウスの声を演じることができ、とてもうれしく思います。また、革新的な手法でこの映画のスケッチや場面を制作した素晴らしいアーティストの皆さんのご努力に感謝します」
同氏は、アニメファンやアラブ世界の歴史に興味のある人は皆この映画を見るべきだと語る。
「ストーリーは、私たちが幼い頃に聞いた多くの素晴らしい物語の舞台となった時代のもので、それが美しいアニメとなって再現されるのはうれしいことです」
マンガプロダクションズCEOのブカーリ氏は自身の体験と思いをこう語った。「東映アニメーションさんとは『ジャーニー』をゼロから立ち上げました。私たちが最初に出した条件は、当社の若手人材をインターンとして訓練しながらチャンスを与えることでした。ですから、東映アニメーションさんとは当初からハードに共同作業してきました」
同CEOによれば、この作品は間もなく中東9か国で公開され、日本では来週公開予定だ。
同氏は言う。「最終的には、本当のヒーローはサウジアラビア出身の若手人材です。彼らは当社の財産であり、彼らの作ったコンテンツと創造性を日本に再輸出できることを誇りに思います」
映画は1500年前のアラブ半島が舞台で、ヒーロー、アウス・ビン・ジュベールの物語となっている。
日本版には人気声優が勢ぞろいで、ガンダムシリーズの古谷徹、新世紀エヴァンゲリオンの三石琴乃の他、神谷浩史、中井和哉、中村悠一、黒田崇矢などが出演している
『名探偵コナン』シリーズで知られる静野孔文が監督を務め、『ポケモン』の冨岡淳広が脚本を書いた。キャラクターデザインのリーダーは『逆転裁判 蘇る逆転』の岩本辰郎、音楽制作は『獣兵衛忍風帖』、『聖闘士星矢』、『ロストキャンバス』、『犬夜叉』、『逆転裁判』の和田薫である。
最初に本作の発表があったのは2019年5月で、2020年末に公開が予定されていたが、コロナウィルス大流行で公開が遅れ、2021年夏となった。
マンガプロダクションズはムハンマド・ビン・サルマン皇太子財団(MiSK)の付属機関で、同財団はムハンマド・ビン・サルマン皇太子に敬意を表して名付けられたものである。同社はアニメ、コミック、ビデオゲームプロジェクトの制作を通じて「サウジのアイデアとメッセージを世界に広める」ことを使命としている。