

Lojien Ben Gassem、リヤド
サウジアラビア初の女性レーシングドライバーの1人であるアルハマドは、モータースポーツはあまりにも男性優位で、このスポーツへの女性の参加を促すには、さらに多くのことを行う必要があると考えている。
アシール・アルハマドは、アラブニュースとの特別インタビューで、レーシングライセンスを持つ女性の割合は全体の1.5%にしか満たないという事実は「大きな国際問題」であると述べた。
サウジアラビア自動車連盟の初の女性の理事会メンバーでもあるアルハマドは、一部の女性はスポーツの道を切り開いているが、当局はさらに多くのことを行う必要があると述べた。
「タチアナ・カルデロンのようなF1ドライバーやスージー・ウルフ、クレア・ウィリアムズなどのチームプリンシパルたちがいます。また、女性の機械エンジニアたちがあらゆる種類のポジションにいますが、彼女たちはほんの一部です」
「より多くの若い少女たちがこのすばらしい女性たちのようになることを奨励するためのロールモデルとして、彼女たちを利用する必要があります」と彼女は付け加えた。
若い頃から車に情熱を傾けてきたアルハマドは、F1のファンであり、キャリアのハイライトはF1を運転するよう招かれたことだが、彼女の憧れる選手はミシェル・ムートンだったとアラブニュースに語った。
「1980年代に、彼女は全員男性のラリーチャンピオンシップに出場したのです。正直、当時彼女がやったことはだれもできなかったと思います」とアルハマドは語った。
これは彼女がモータースポーツでより多くの女性のために道を築き、サウジアラビア、また国を超えて女性ドライバーのための道を先導するように促したような経験だ。
レースと自身が手掛けるインテリアデザインビジネスを組み合わせたアルハマドは、国際自動車連盟(FIA)の『Women in Motorsport Commission』の代表の1人であり、このプログラムは、より多くの若い少女たちがモータースポーツからインスピレーションを得て、それをキャリアとすることを奨励するようなプログラムとイニシアチブを作り出すものだ。
「この連盟の会長から連絡を受け、理事会に加わるように頼まれた日のことを忘れません。私は自分のキャリアにおいて困難が多かったので、これらの若い女性のための基盤を築くことができ、また彼女たちが、私が経験してきたような苦労や困難を経験しないようすることができうれしいです」と彼女は語った。
F1やフォーミュラEなどの主要なモータースポーツでサウジの女性世界チャンピオンをいつの日か目にすることができるかどうかについて、彼女は次のように答えた。「今日、特に政府によるスポーツやスポーツへの女性の参加の強力な支援を見る限り、それは可能です」
「私たちは最近始めたばかりで、本当に速いスピードで始めています。 チャンピオンが国際的なビッグイベントにあっという間に参加するのを見ても驚かないでしょう」
アルハマドはまた、サウジがフォーミュラEのようなイベントを開催することは、国やさらに広い地域でモータースポーツの人気を高めるために不可欠だと述べた。
「いままでほとんどの人がサッカーを見ていたかもしれません。でも、今日、このような国際的なモータースポーツイベントがあると、多くの人がモータースポーツに親近感を持ち、ルールを理解するようになります」
「そしてこれらの若い世代は、レースを観戦すると、インスピレーションを得てモータースポーツのファンになるかもしれません」と彼女は付け加えた。
FIAは、11月22〜23日のディルイーヤePrixとともに『Girls on Track』というイベントを開催するが、このようなイベントがヨーロッパ以外で開催されるのは2回目となる。
「このイベントは、8歳から18歳までの若い少女たちが自分の才能とモータースポーツのすばらしさを見いだすよう促すことに大きく焦点を当てています。モータースポーツでのキャリアを考えるきっかけになることを願っています」とアルハマドは語った。
このイベントには、機械エンジニアリングからモータースポーツジャーナリズムまで、さまざまなトピックを少女たちに紹介するための教育ワークショップや、レーシングシミュレーターを使用したりカートトラックを運転したりする機会が含まれている。
少女たちは、ベンチュリ・フォーミュラEのチームプリンシパルであるスージー・ウルフなどといった、モータースポーツを率いる女性たちとのパネルディスカッションにも参加する。
「私たちは主に学校にアプローチし、少女たちに登録してもらい、彼女たちが才能を発見できるように招待状を送りました」とアルハマドは語った。
若い女性への彼女からのアドバイスは、たとえ夢が大きくても、自分の夢を達成することだ。
「最初は少し怖くて、無理だと思うかもしれません。でも、私からのアドバイスは、小さな一歩を踏み出し、時間とともに歩み進めることです。そうすれば実際に夢を実現したことに驚くでしょう」と彼女は語った。
ディルイーヤePrixに先立ち、アルハマドはポルシェ初の電気自動車『タイカン』を、元F1ドライバーのマーク・ウェバーとともにドバイからリヤドまで運転した。
2020年に中東で発売される『タイカン』は、現在のポルシェの製品範囲で最も強力な電動量産型であり、3.2秒で0から100kmhに達する。
アルハマドはタイカンを運転し、次のように語った。「この車の性能をテストしたかったのですが、今週末、フォーミュラEでポルシェがデビューする前に体験できたことはすばらしいことです」
「ハンドリング、フィーリングがすばらしい、スピードのある車です。内部と外部に同じポルシェのDNAを持つ美しい車です」