
リヤド:14世紀に遡る極めて希少な人体解剖学の写本が、サウジアラビアの首都リヤドにあるキングアブドルアジーズ公共図書館に所蔵された。
『人体の解剖学』と銘打つこの書籍は、人体の内部を解剖して描写した本としては知られる中で最も古い時代のものだ。1380年から1391年の間に、マンスール・ビン・モハメド・ビン・アハメド・ビン・ユースフ・ビン・イリアス・アル・カシミリにより執筆された。
この本は最も貴重なイスラム医学の写本のひとつであり、ベルギーの医師アンドレアス・ベサリアスやイタリア人画家レオナルド・ダ・ビンチの近代解剖学よりも時代が遡る。
ヨーロッパの科学者たちは、この本の描画や説明から学び、解剖学というものを彼らの医学教育の一部に組み入れた。ペンと複数の色のインクで描かれた絵図が人体の全貌を表しており、各絵図はページ全体を使って描かれている。
描画には、その線や色使いに優れた職人技が認められる。書かれた当時の標準であったイスラム細密画技法が使われており、挿絵もペン以外の道具を一切使わずに描かれている。
各章は、骨、神経、筋肉、静脈、動脈、顔、鼻、肝臓などの人体組織に分かれており、著者は、動脈の機能について詳細に執筆し、静脈は心臓の左心室から右心室に流れる血管であり心臓は拡張・収縮すると説明している。
ペルシア語で書かれたこの書籍は、モハメド・ハッサンという名の写字生が1707年12月16日に書き写したものだ。
サウジ国営通信