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注目度が高まるサウジアラビア各地の古代の岩絵

サウジアラビア南部の都市ナジュラーンに残る岩絵には、宝石や装飾品を身につけた女性と腰に槍を携えた男の隣で踊る女性の2人が描かれている。この岩絵は多くの疑問を投げかけた。(提供)
サウジアラビア南部の都市ナジュラーンに残る岩絵には、宝石や装飾品を身につけた女性と腰に槍を携えた男の隣で踊る女性の2人が描かれている。この岩絵は多くの疑問を投げかけた。(提供)
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08 Jan 2022 01:01:13 GMT9
08 Jan 2022 01:01:13 GMT9
  • サウジアラビアの南西部には、旧石器時代からイスラム時代まで、さまざまな時代の痕跡が残されている
  • 4000年以上前に描かれた印象深い図像は、今もなお多くの謎に包まれている

タレク・アル・サカフィ

メッカ:サウジアラビアの岩絵は長い間アラビア半島の古代文明研究の重要な情報源とみなされてきた。そして今、国内各地の考えられもしなかった場所での発見が増えるにつれ、さらに注目が高まっている。

絵画は、作文の1本目の柱を象徴する。その研究には、アラビア半島の歴史と文化の移り変わりと発展、古代人の環境への向き合い方が反映されている。

サウジアラビア南部の都市ナジュラーンに残る岩絵には、宝石や装飾品を身につけた女性と腰に槍を携えた男の隣で踊る女性の2人が描かれている。この岩絵は、見つかった場所や意義、制作時期などについて多くの疑問を投げかけた。

サウード国王大学の古代史のサルマ・ホーサウィ教授は、アラビア半島で最も古い岩絵は7000年前にさかのぼり、古代に交易路だった場所を中心に見つかっているとアラブニュースに語った。「これらの岩絵には、紀元前8世紀に初めて使われたタムード文字と紀元前2千年紀の半ばに初めて書かれた古代南アラビア文字の碑文が含まれています。いくつかの考古学調査では紀元前9世紀と8世紀、最近では6世紀のものも出てきています」と彼女は説明した。

ホーサウィ教授は「絵画の中で2種類の文字が使われている点にはいくつかの意味があります。まず、古代の人間が数種の文字の知識を持っているということは、共同体間の交流を示していると言えます。タムード文字の起源はアラビア半島の北部で、後にその地域の大半に広まったことが知られているからです。この地域の文字資料の多様性は文明が進んでいた証です」と述べた。

また教授は、この地域がアラビア半島の南から北へ、北から南へ行き交う貿易船団にとって非常に重要な停泊地だったことを付け加えた。

この岩絵には3本の槍を持った男性も描かれている。2本を右手に、1本を左手に持ち、短剣を腰に携え、装飾用かそれ以外に宗教的な意味のあるペンダントを身につけている。槍と短剣は権力、あるいは戦に出たり、敵に立ち向かったりする支度を表している」

ホーサウィ教授によると、岩絵に描かれた人間の外形は、アラビア半島の中央に位置し、南方から続く交易路にあるアル・ファウ村の神「カール」に似ているという。

「月」と呼ばれる「カール」は、古代アラブの宗教思想に登場する最初の神だと考えられている。経済的な目的で商業輸送船団と結びついていて、ささげ物や誓い、奉納に関する碑文が刻まれている。アル・ファウ村は、さまざまな民族が交じり合う中継地だった。「その混在から宗教、社会、経済、文化の交流が生じました」と教授は言った。

また、双方の外形の類似性は、ある種の神聖な儀式を表している可能性があると述べた。武器や楽器の細部、人物の全体的な形状などの点で同じ場面の繰り返しが多くの岩絵に描かれているので、戦の勝利を願う踊りのように見える。教授は、絵には女性2人のように見える2人の人物が描かれていると説明した。まず左側の人物は、槍かラバーブのような楽器の横に座っていてその四方に文字が刻まれている。

2人目の女性は装飾品や宝石で飾られ、手を挙げている。踊りの最中で体が揺れている様子が見てとれる。また、この絵には髪型も描かれていて戦争における女性の役割を示唆している。全体としてこの芸術的な岩絵は、サウジアラビアの古代文明の社会的、宗教的、文化的状況を示しており、あちこちに書かれたさまざまな文字がその証拠だと教授は付け加えた。

「さまざまな解釈がありますが、少なくともアラビア半島の南西部に住んでいた人間の歴史と文明が現れています」

ホーサウィ教授によると、サウジアラビアの南西部は最古の人類の居住地の1つと考えられているという。旧石器時代からイスラム時代まで、さまざまな時代区分の考古学的な証拠が残っているからだ。

この地域の碑文と岩絵から、衣服、装飾具、武器、石の暖炉、長方形と円錐形の構造物、水が流れていた跡について情報が得られる。絵画には、ラクダ、牛、アイベックス、ガチョウ、ライオンやオオカミなどの野生動物も描かれている。騎士との槍の戦いや、狩猟の場面も取り上げられている。実物よりも大きな人間たちの絵には、頭にスカーフを巻いている人や、髭を生やし、首にペンダントをつけている男性の図もある。

歴史研究者のサレ・アル・ムリー氏は、ナジュラーンは遺跡や史跡が豊富で、地元でも地域でも世界でもユニークな観光モデル都市になっているとアラブニュースに語った。

「4000年前にさかのぼる遺跡もあり、観光と考古学の聖地と呼ばれるのにふさわしいです」

アル・ムリー氏は、「2人の女性の絵」は、ナジュラーンのヤドマ地区のサドル・アル・ナカにあると言い、考古学的な図像は何年にもわたって研究、調査、論争の対象になっていると付け加えた。

「空に手を伸ばしているのだと言う人もいれば、祝祭や戦勝祈願の踊りだと言う人もいます。研究者からも大きな注目を集めています。場所は一番高い山の上です」

「考古学・博物館委員会が発見し、考古学委員会と提携しているプロのメキシコ人写真家が撮影しました。写真が公開されたのは1997年頃でした」とアル・ムリー氏は言った。

そして、ナジュラーンは数千年も前の文明と文化の発祥の地だと述べた。

遺跡は損傷を避けるため柵で保護されている。またメディアを使ったキャンペーンが、これらの遺産の重要性や地域の歴史的アイデンティティの一部として保存することの必要性について住民の意識を高める一助になっている。

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