



ダイアナ・ファラー ドバイ
日本の伝統的なフラワーアレンジメントの芸術、生け花は、一部の人にとっては瞑想のプロセスであり、また他の人にとっては思い出の小道でもある。
生け花講師の大木春慧にとっては、両方の役割を果たす。
大木は小原流生け花教室の教授で、この芸術に出会ったのは15歳の時である。
生け花は、ミニマリズムとシンプルさの概念を用いて空間に植物を配置する芸術である。
「2014年にドバイに移住し海外で暮らし始めたとき、自分の文化と生け花がとても恋しいことに気付きました」と彼女は言う。
大木は、若い頃に母方の伝統的な家族と時間を過ごし、すべての日本人が結婚するためには3つのスキルが必要だと教えられていたと述べた。
「私の祖母の世代では、すべての女性が生け花、茶道、着物の芸術を学ぶ必要がありました」と彼女は言う。
金融と銀行に勤めていた大木は、2014年に自分の生け花クラスを始めた。
「毎週月曜日にアブダビで、火曜日とはドバイで教室を開催しています。生徒の数は50人近くいますが、全員が毎週来るわけではありません。そのうちレギュラーで来るのは10人から15人の生徒です」と彼女は言う。
大木は、初めてドバイに移住したときには教室を始めることは考えていなかったという。そんな折に、ブラウンブック誌の出版で人気のある2人のエミラティ兄弟、アーメドとラシッド・ビン・シャビブに出会った。
大木は、兄弟をUAE(アラブ首長国連邦)の「文化大使」と呼び、彼らが教室を始めることを奨励したという。
「彼らは私にこう言いました。「アラブ首長国連邦は様々な異文化に満ちた国ですが、伝統と芸術が欠けています」」と彼女は言う。「彼らと出会って、彼らは私の教室を後援した最初の人達となりました。 やがて教室は大きくなって、2016年に日本の小原流生け花の公式研究グループになりました」
サルタン・インベストメンツのCEOサルタン・ハレブ・アル・ファラヒが現在、生け花の教室を後援している、と大木は言う。
「彼は日本文化の大ファンです。 私は教室の新しい会場を探していたときに偶然彼に出会いました、そして彼は親切にご自身の場所を提供してくださいました」と彼女は付け加えた。
日本政府観光局の中東代表でもある大木は、首長国、ヨーロッパや日本国籍の生徒がよく習いに来ると言う。
「アブダビのクラスは通常99%のエミラティの生徒です。 一般的に、首長国の人々は日本の文化が非常に好きです。 特に若い世代は私たちの文化のシンプルさとミニマルなところに興味を持っていると思います」と大木は付け加えた。
彼女は、生徒の一人、アマニ・アル・シェヒが、生け花の認定講師になる最初のエミラティだと言う。
「アマニは若いエミラティで、日本の自然の山の景色を見たことがありませんが、生け花の概念を完全に理解し、それを完璧に表現することができます。」
大木は、アル・シェヒが「外部の視点」から来ているため、別の観点から概念を把握できるのだと説明した。
最近、生け花の講師レベルに達したもう一人の生徒、ドバイの移住者マーティンキ・テイトは、その構造と構成がシンプルなためこの芸術が大好きだという。
「私は個々の花をすべて見て、アレンジメントでそれぞれの花の美しさを表現するための最良の方法を考えます」とオランダ人の駐在員テイトは言う。 「私は生きた素材を扱うことが大好きです。それは心に自然を持ち込むようなものです」
テイトは、生け花に関する本が数年前に彼女の目を引いたという。そして、大木の生け花教室のことを知ったとき、すぐに参加することを決めた。
彼女は約3年前にコースで学び始め、最近、生け花の技術は講師のレベルまで伸びてきた。