アミン・アッバス

ドバイ：日本のマンガを専門に扱う、UAE拠点のオンラインストアが新しくオープンした。このストアは、同国で盛り上がりを見せるマンガ文化の一助となることを期待する熱心なファンによって経営されている。

マンガバウンドは、2021年12月に正式にオンラインサービスを開始した。アラブニュース・ジャパンの独占インタビューに応じたオーナーのラシド・ハリド・アブドゥラ・ビン・ハイデル氏は、2021年10月に同ストアを設立したと述べる。

「マンガバウンドで、UAEにおけるマンガのワンストップショップを作りたいと思いました。マンガファンや愛好家が、ここUAEにある店では通常入手できない最新号を手に入れられる場所を作りたかったのです」と彼は語った。

ビン・ハイデル氏は、オンラインストアを立ち上げた当初、いくつかの課題に直面したと話す。そのひとつが、現在英訳されているすべてのマンガを一手に扱う販売店を見つけるという課題だった。マンガを注文するために、様々な供給元にあたるのは望ましくないと彼は述べる。

「マンガバウンドは小規模ベンチャー企業なので、販売するマンガを発注する際には、より正確な情報が必要です。何冊注文すればいいのか？この作品かこのシリーズか、どちらを注文するべきか？この巻を何冊注文すればいいのか？古い巻は注文すべきか、それなら何冊？というようなことは、店を経営する中で尽きない心配です」と彼は説明した。

「マンガを注文するとき、マンガファンや愛好家が何を求めているのか、自分ではわかっているつもりでしたが、実際にお客様と接してみると、思いのほか、特定の作品やジャンルの要望が多いことがわかりました。新刊、既刊、旧作を問わず、少女漫画をもっと読みたいとの要望が多くなっています」

また、ビン・ハイデル氏は、自身のオンラインストアをさらに普及させようとしているという。彼はアラブニュース・ジャパンに、現在ソーシャルメディアを利用してマンガバウンドのマーケティングと宣伝を行っており、屋外広告も行っていると語った。

「来月アブダビで開催される中東フィルム・コミコンに出展する予定ですが、これがマンガバウンドのさらなる露出につながることを願っています」と述べた。

ビン・ハイデル氏によると、ストアは開店以来ポジティブな反響を受けており、複数の人々がUAEにマンガのワンストップショップができたことを喜び感謝したという。

また同氏は、出版社から新シリーズの英語版ライセンスを受けたときや、特別版やボックスセットの発表など、マンガに関するあらゆるニュースの発行にも取り組んでいるという。

「さらに、マンガバウンドでは、将来のマンガの巻やシリーズを事前予約することができますが、予約しようとする人が十分な情報を得た上で決断できるよう、前もって今後の情報を伝えるようにしています」

近い将来の計画について、ビン・ハイデル氏はアラブニュース・ジャパンに次のように話した。「来月アブダビで開催される中東フィルム・コミコンの後、マンガをUAE国外で販売するつもりです。サウジアラビアや、バーレーン、オマーンへの発送を目指しています。サウジアラビアの人たちからは、いつ同国へ配送するのかとメールをもらっており、現在、そのための手続きを整え、宅配業者を検討しているところです」

「サウジアラビアのマンガ・アラビアと、アラビア語読者のためのマンガのローカライズ計画のニュースを知り、私のストアに公式アラビア語訳マンガを追加する見込みがあることに興奮しています」と彼は付け加えた。

ビン・ハイデル氏は、昔からマンガに夢中で、たくさんの作品を読んでいたという。『ベルセルク』、『ONE PIECE』、『アイシールド21』、『ぐらんぶる』、そして比較的新しい『SPY×FAMILY』などがお気に入りだ。