


カウラ・ガネム、ドバイ
イギリス人理論家であるマーク・フィッシャーは、彼のエッセイ集「わが人生の幽霊たち」の中で、「ポピュラー・モダニズムとは実験と主流の両方の性質をもつ文化であり、革新的な芸術作品を創造する境界線を押し広げるものだ」と述べている。チュニジアのラ・マルサのB7L9アート・ステーションで開催中の美術展示会「New Affinities(新たな一体感)」も、このコンセプトを信条としている。
「ポピュラー・モダニズム」という言葉は西洋ではまだ広く探求されておらず、中東や北アフリカに至ってはまだ存在していないようなものだ。カメル・ラザール財団によって開催されたこのイベントは、アラブ世界に焦点をおきつつ、フィッシャーのコンセプトに深く踏み入ることを目的としている。
チュニジアで今までになかった類のこの展示会は、アラブ音楽のみを扱う雑誌である「Ma3azef」と、シャルジャ美術財団の副理事長であるリーム・シャディッドにより監修された。その目的は、実験と主流という間違った二分化に挑戦することである。
この展示会は今月上旬、チュニジア人DJであるRatch0pperのパフォーマンスで幕を開け、アラブ世界全体からの様々なアート媒体によるポピュラー・モダン作品が発表されている。アラブ世界で作られ消費される映画、音楽、詩、文学、ダンス、ビデオゲーム、ファッションを特徴とするこの展示会「New Affinities(新たな一体感)」は、フィッシャーの理論をこの地域に取り入れようとするものだ。
展示作品には、ドバイを拠点とするライフスタイル・ブランド「Shabab Intl」の衣類やスマイリー・フェイスの形をしたラグ、「レックス・チューク」の名で知られるサウジのアーティストのエクレティック絵画、客が楽しんで読めるよう木のテーブルの上に無造作にばらまかれた人気漫画作品のシリーズ、モロッコ人ラッパーであるイッサム・ハリスのスマッシュ・ヒット曲「Trap Beldi」のビデオクリップを含む人気アラブ・ミュージックビデオのプロジェクションなどがある。
出品者の一人であるアミーナ・カービ(27才)は、アラブ・ニュースの取材に対し、「この展示会は私がチュニジアで参加した中で最も印象的です。主催者チームがアラブ世界を深く理解しているのは明白です。彼らは私たちの文化の見過ごされている局面に光を当てました。これは大きな進歩です」と述べた。
様々な媒体の芸術作品を発表するだけでなく、「新たな一体感」というテーマのもと、今週初めには多くのゲスト・スピーカーも登場した。著名なチュニジア人ダンサーでありコリオグラファーでもあるオウマイナ・マナイもその一人だ。彼女はチュニジアのコンテンポラリー・ダンスの進化と大衆文化への影響について着座式で討論をおこなった。
もうひとつ、考えさせられた議論はMa3azefのエグゼクティブ・エディターであるアンマー・マンラ・ハサンによるものだ。彼はバール・ラズレグという恵まれない地域の生徒達と、ビデオゲームについて、そしてストーリーテリングの境界線を押し広げるためにどのようにビデオゲームが作られるかについての議論を日曜におこなった。
「New Affinities(新たな一体感)」は2020年1月25日まで開催されている。