
ハラ・タシュカンディ・リヤド
世界がゼタバイト時代へ向かってさらに進む中、オンラインショッピングはこれまで以上に一般的なものになりつつある。一部の人にとって、ボタンを押すだけで何でも手元まで届く買い物の魅力は、あまりに便利すぎて手放すことなどできない。
しかし、今でもあちこち店を見て回りたい人や、買う前に商品を試してみたい人たちはどうだろうか?その解決策はごく簡単に見つかる。サブスクリプションボックスだ。
サブスクリプションボックスは、独立系の工芸家やミュージシャン、アーチストが自分の作品を世界と共有するための手段として、2004年に生まれたコンセプトである。最近ではこのモデルが進化し、世界の他のほぼすべての商業界の一角に組み入れられている。
化粧品や衣料品から、食品や娯楽品のパッケージまで、サブスクリプションボックスを通して何でも手に入る。ディズニーやターゲット、ウォルマートなどの大企業から、世界中のもっと小規模な独立系の企業まで、あらゆる会社がこのサービスを提供している。
UAEのシャールジャに住むサラ・アルアリはアラブニュースに対し、サブスクリプションボックスは彼女の最大のお気に入りだと話した。彼女はこれまで4種類のサブスクリプションを購入しており、今後さらに増えるかもしれないと考えている。
「とても便利です。これまで選んだサブスクリプションボックスには、いつもすごく素敵なアイテムが入っていて、それらを試しています。お気に入りのブランドのいくつかは、サブスクリプションボックスを通して見つけました。サブスクリプションによってずいぶんお金を節約している気がします!」
これはアルアリだけの話ではない。サブスクリプションボックス業界は確かに絶好調だ。フォーブス誌によれば、同業界は2014年から2018年までの間になんと890%も拡大した。
またフォーブスは、サブスクリプションボックスのサービスは昨年10月時点で前年比40%増の3,500種類が存在し、同業界の市場規模は合わせて26億ドル相当にもなると見積もる。
しかし、サブスクリプションボックスの特定のニッチ分野が、世界中で、特にアニメや漫画のファンたちから人気を集めているように見える。日本のお菓子のボックスのことだ。
日本のお菓子文化は巨大である。同国には独自の風味の、しばしば一風変わった見た目や味のお菓子があることで有名だ。わさび風味のチップスから、醤油やバター味のポテトスティック、抹茶味のキットカットまで、日本で買えるお菓子の数は、最も恐れを知らないお菓子愛好家たちでさえ圧倒される。
ほとんどの日本ファンにとって残念なことに、それらのお菓子の大部分は日本でしか手に入らないか、あるいは同国以外で見つけるのは極めて難しい。
そのため、何社かの企業が日本のお菓子のサブスクリプションボックスを始め、さまざまな大きさや種類のお菓子を提供している。一部の会社はそのサービスを拡大し、化粧品やおもちゃ、キッチン用品も含めるようになった。
Japan CrateやTokyo Treatなどの企業は、日本のほとんどのコンビニで買える低価格帯のお菓子をメインにしている。
サブスクリプションのレベル(および基本的にはボックスに払った金額)によって、少数のアメやチップスの小規模なセレクションが届くこともあれば、1ヶ月分のお菓子と共に、コレクション用の小物や玩具、時には旬のソフトドリンクが届くこともある。
たいていの場合、それらのお菓子は人気アニメのキャラクターでブランド化されたり、日本の外で広がったポップカルチャーや広告の中で取り上げられたりする。Japan Crateのボックスは月に12~35ドルで、5~20点の商品が入っている。一方、Tokyo Treatは月額22~23ドルで、商品数は12~17点だ。
他にも日本独自の高品質なお菓子のオプションを提供する、BokksuやSnakkuなどの会社もある。それらのお菓子はたいてい手作りで、普通よりもずっと入念に選ばれたものだ。
価格は高いものの(どちらのボックスも38ドルほど)、お菓子もそのパッケージもより伝統的で上品なものになっている。Bokksuは各ボックスと組み合わせてお茶も提供し、Snakkuのパッケージは再利用可能な和紙のふろしきに包まれて届く。
見た目と同じくらい素晴らしいアイデアである法外に高いその価格は、日本のお菓子のサブスクリプションに対して払う価値のある金額なのかと疑問に思う購入者も少なからず生んできた。
日本語学習と日本文化に関するウェブサイトTofuguはJapan Crateへのインタビューの中で、驚きの要素は楽しめるだけでなく、自分用に選ぶ必要のなかったお菓子を試してみる機会になるかもしれないが、中身の商品の小売価格はサブスクリプションに支払う価格よりも大幅に低いと指摘している。
しかし、リヤドで長くTokyo Treatのサブスクリプションを購入しているラカン・アルジャリールは、ボックスの料金が商品の価格よりも高いという事実は気にならないという。その便利さと入手可能性が、他では手に入らない機会をもたらしてくれるからだ。
「結局のところ、それについて考えた場合、これまで私が購入したボックスはどれも日本への旅費と比べれば安いものでした。たぶんいつかは直接行って自分自身でお菓子を選ぶことができるかもしれませんが、おそらくずっと先のことです。たとえ少量だとしても、少なくとも私はこの方法で日本の味を手に入れることができます」と、彼は話した。