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「イースト・イースト―第5回『UAEが日本と出会う』熱海ブルース」展示会、UAEと日本のアーティストを紹介

第5回目となる「イースト・イースト―『UAEが日本と出会う』」シリーズが、熱海市内のHOTEL ACAO ANNEXで開催される。(写真・Naoki Takehisa。画像提供・ATAMI ART GRANT)
第5回目となる「イースト・イースト―『UAEが日本と出会う』」シリーズが、熱海市内のHOTEL ACAO ANNEXで開催される。(写真・Naoki Takehisa。画像提供・ATAMI ART GRANT)
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19 Oct 2022 04:10:00 GMT9
19 Oct 2022 04:10:00 GMT9

第5回目となる「イースト・イースト(East-East)―『UAEが日本と出会う』」シリーズが、ソフィー・マユコ・アルニ氏のキュレーションにより、今年11月、静岡県の海沿いの町、熱海で開催される。

今回の展示会イベント「イースト・イースト―第5回『UAEが日本と出会う』熱海ブルース」は、11月3日から27日まで、HOTEL ACAO ANNEX(旧ニューアカオ館)にて、熱海市、熱海市観光協会、静岡県文化財団をはじめとする行政や企業の協賛の下、「PROJECT ATAMI」(プロジェクト熱海)が主催する芸術祭「ATAMI ART GRANT 2022」(アタミ・アートグラント2022)の一環として開催される。

昨年の「ATAMI ART GRANT 2021」では、熱海市内の各会場に計1万人を超える来場者が集まった。

展示会は、アラブ首長国連邦(UAE)を中心とするアラブのアーティストと日本のアーティストが共に、東京の南に位置する歴史ある温泉リゾート地として有名な熱海で、サイトスペシフィック・アート(特定の場所に存在するために制作された美術作品)の新作を発表する貴重な機会となる。参加アーティストのベイビー・ダロール(Bady Dalloul)さんとシャイハ・アル・ケトビ(Shaikha Al Ketbi)さん、そして展示会のキュレーターであるアルニさんが現在、滞在制作型プロジェクト「ACAO OPEN RESIDENCE」のアーティスト・レジデンス・プログラムに参加し、展示会場で新作の制作に取り組んでいる。

日本の熱海市にあるHOTEL ACAO ANNEX。(写真・Naoki Takehisa。画像提供・ATAMI ART GRANT

この展示会は、60年前にオープンし、現在では熱海を代表するホテルリゾートの一つとなっている敷地70万平方メートルのACAO SPA & RESORT(アカオ・スパ・アンド・リゾート)で開催される。その施設は、バロック様式と日本の伝統的な旅館様式を融合させた贅沢なインテリアが特徴となっている。バブル期の日本を象徴するタイムカプセルのような施設でありながら、1980年代から今日までにUAEに建設されてきたロココ調のホテルや宮殿の雰囲気をも映し出している点が興味深い。

日本の熱海市にあるHOTEL ACAO ANNEX。(写真・Naoki Takehisa。画像提供・ATAMI ART GRANT

展示会は、西洋中心になりがちなアートの活動を他地域でも広く展開するという世界的な取り組みの一環でもあり、アラブ世界と東アジアの間に、意義のある対話を生み出そうとするものだ。UAEと日本の外交関係50周年を記念し、「イースト・イースト―『UAEが日本と出会う』」展示会シリーズの第5回目として開催されるイベントでもある。この展示会シリーズは、2016年にUAEにある「NYUアブダビ・プロジェクト・スペース」で始まって以来、ドバイと東京の複数のギャラリー会場を巡回してきた。

「HOTEL ACAO ANNEXのホールを歩いていて、ラグジュアリーリゾートのアフターライフ(第二の人生)について思いを馳せました。この18階建てのホテルは、人工的な装飾品で豪華に飾られています。熱海の断崖絶壁に建てられた見事な建築物です。私たちはその建物の第二の人生の中にいるのです。このホテルに足を踏み入れた瞬間、私は長年、故郷と呼んできたアラブ首長国連邦を思い出しました。熱海のリゾート建設は、現在のアラビア湾岸地域の海辺の開発と重なり合います。UAEでは今、数千年かけて自然に形成された環境の上に建てられた大型ホテルが、大量の観光客を受け入れています。私は今回の展示会を、UAEと日本のアーティストや建築家が、海岸の環境と関わりながらどのような選択をしてきたかを考える場にしたいと考えています」。アルニさんはプレスリリースでこのように述べている。

1962年のドナルド・リチー監督の短編映画のタイトルからヒントを得た今回の「熱海ブルース」展示会は、映画のようなシーンを演出しており、温泉浴場からロイヤルスイート、グランドダイニングホールに至るまで、ホテルの8部屋にまたがるサイトスペシフィックなインスタレーションを展開しています。中心的なテーマは、青い海と大海をめぐるUAEと日本の共通のストーリーというアイデアだ。

この展示会では、太平洋とアラビア湾の沿岸で繰り広げられてきた労働、移住、交流、建築の革新の歴史を探る作品が数多く展示される。その一例が、日本が世界有数の真珠輸出国として台頭する以前、UAEが独占していた真珠採取産業である。

もう一つの例は、アブダビにあるサブハ(sabkha)地帯だ。これは陸と海の間の塩性湿地帯で、現在は新しい建築材料のイノベーションにインスピレーションを与える存在として機能している。また、瞑想やパフォーマンスをツールとして活用し、アラブ世界と東アジアの異文化間の対話を個人的にナビゲートするアーティストの作品も展示される予定となっている。

「『イースト・イースト』―第5回『UAEが日本と出会う』熱海ブルース」では、ベイビー・ダロール、フセ・リンタロウ(Rintaro Fuse)、ラミヤ・ガールガシュ(Lamya Gargash)、GROUP、シャイハ・アル・ケトビ、ハセル・アル・ラムキ(Hashel Al Lamki)、ニムユ(Nimyu)、ワイワイ・リサーチ・アンド・デザイン・エージェンシー(waiwai research and design agency)といったアーティスト(敬称略)や建築家集団によるコミッションワーク、サイトスペシフィック・インスタレーションが展示される予定。表現媒体は、絵画、動画、サウンドインスタレーション、写真、マルチメディアインスタレーションと様々だ。

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