



ナダ・ハミード
ジェッダ:サウジのデザイン会社はこれまで以上に、サウジアラビアの歴史、遺産、伝統に触発された作品を生み出している。
そのような例の1つがSamudaで、ほとんど知られていない国内の美をあしらったユニークなギフトや土産物をデザインして、地元の芸術振興に寄与することを目指している。
ブランド名は、アル・カシム州にある、一面ラベンダーの花で覆われた絶景で知られる村の名前に由来する。
「人里離れた場所ですが、春はラベンダーの花で埋め尽くされ、紫一色の景色が見られます」とSamudaのデザインチームの1人はアラブニュースに話した。「この地域はまた白いラクダでも有名ですし、キャンパーが景色を楽しみに集まる場所でもあります。これらは皆、私たちの最初期のデザインに生かされています」
2020年に設立されたSamudaはアル・ウラーの岩石層、アラブの芸術アル・カット・アル・アシリ、古都ディルイーヤ、古代の建築の驚異が見られるリジャール・アルマなど、アサウジアラビアの他の地域の景観や遺産も作品に取り入れている。
ターイフのバラ畑、紅海の海洋生物とサンゴ礁、美しいアラビアヒョウ、サウジ産コーヒー、ヒジャーズの古代へ通じるドアなども、インスピレーションの源である。
Samudaはネクタイ、ショーツ、ポンチョ、帽子、スカーフ、ストール、木製の箱やトレー、トランプ、ジグソーパズルなどのデザインを手掛けている。価格は安いもので150サウジリヤル(40ドル)、最も高額なものは2万5,000サウジリヤル(6,649ドル)で、100%純カシミヤで作られたストールは最も高額な商品の1つである。
すべての製品はサウジアラビアでデザインされ、ヨーロッパで生産されている。
サウジのジュエリーブランド、Charmaleenaも地元文化、イスラム建築、サウジアラビアのエンブレム、2つの神聖なモスクのモチーフを取り入れている。
ジェッダを拠点とするこのブランドはレーナとハラのエル・ヘレイジ姉妹によって設立された。レーナはデザイナー兼クリエイティブディレクター、ハラは経営責任者を務めている。
「私たちのコレクションすべてにストーリーがあります。コレクションの一つ一つの作品が、そのストーリーを語り継ぐのです。作品はどれもハンドメイドで、身に着ける女性の個性を輝かせ、自信を高めるようにデザインされています。私たちのジュエリーは、女性の美しさと唯一性を引き出します」とレーナ氏は語った。
Charmaleenaはこれまでに20以上のコレクションを送り出しており、それぞれのコレクションには多くの多機能な作品が含まれる。
「サラム」コレクションは、メッカとマディーナの神聖なモスクに着想を得た同ブランドを代表するネックレス2つを含む。
メッカのネックレスはカアバ神殿を表す小さな黒い立方体をあしらったもので、ブラックオニキス、18金、7つのスライド式で動くダイヤモンドを使用している。もう1つのネックレスでは緑色のドームモチーフがマディーナの預言者のモスクを模し、グリーンアベンチュリン、ホワイトオニキス、18金とダイヤモンドが使用されている。
2012年、Charmaleenaはブリティッシュ・カウンシルのサウジにおける若い創造的起業家賞に選ばれている。
2014年には、同ブランドは中東版フォーブスによって、サウジアラビアの未来を作る100の創造的起業家に選出された。
もう1つのサウジブランド、Desert Designはサウジアラビアの伝統が香る製品とサービスを提供している。
アル・コバールを拠点とするDesert Designはカマルとハリド・ブハーリによってサウジアラビアの職人による工芸品の美を広める目的で1990年に設立された。カーペットやドア、ソファ、彫刻を施したテーブル、クッションなどの家具調度品がそろい、90%がハンドメイドである。
同ブランドのオーナーは次のように語った。「サウジの文化遺産をデザインし直すことで、家具が美術品に生まれ変わりました。私たちのブランドは、職人たちが作品を作り続けるよう後押しすることで、忘れられた芸術をよみがえらせ、人々にこれらの家具のユニークな価値を知ってもらうきっかけとなります」