アミン・アッバス

ロエベは、2月2～14日にドバイモールのファッションキャットウォークのポップアップストアで、スタジオジブリとの3度目にして最後のコラボレーションを行なっている。

「ロエベ×ハウルの動く城」というテーマのもと、スペインの高級ファッション企業と有名な日本のアニメスタジオがおこなう最新コラボレーションでは、ソフィー、ハウル、炎の悪魔カルシファー、さらにマルクル、ヘン、かかしのカブ、荒地の魔女など、映画の象徴的なキャラクターたちがレザーやシアリングを使ったインターシャや、レザーや生地への刺繍、レザーを飾るクリスタルやスタッドのインレイとして、衣類やアクセサリーの素晴らしいコレクションの中に生き生きと描かれている。

キャラクターたちは、パズルやフラメンコ、ハンモック、アマソナ、ルナなどのバッグや、ブレスレット、ポーチ、様々なレザー製小物、ジャンパー、ジャケット、シャツなどのウェアにまで姿を現し、またアップリケやラフィア、フェザーなどのディテールによって彼らはまるで生きているかのように見える。映画のシーンがツイードジャケットの裏地や、シャツやショートパンツの全面にプリントされている。カーディガンにあしらわれたフェザーは魔法のように舞い踊り、各作品のシルエットは作中のキャラクターたちを思わせる。さらに「城」自体も取り上げられ、パズルやフラメンコ、アマソナ、ハンモックといったシグネチャーバッグの断片や端材がコラージュとして組み合わされ独自のフォルムを形成している。映画に登場するいたずら好きな炎の悪魔カルシファーは、ロエベのホームセンツシリーズの新しいアロマキャンドルにもインスピレーションを与えている。シリーズには、インセンス、イモーテル、パチョリ、ベチバー、ローストヘーゼルナッツ、カルダモン、エレミの特徴を持つスモーキーなフレグランスがある。

ロエベのクリエイティブディレクター、ジョナサン・アンダーソン氏によれば、この最新のコラボレーションは異なる物の見方を提示している。

「私たちが住んでいる世界は、逃避としてではなく、異なる物の見方として、対抗を必要としています。私にとって、宮崎駿氏のアニメ映画がスタジオジブリにとってどのようなものなのかということを意味します。それはその瞬間についての解釈であり、それに代わるものであり、常に心に訴えかける物であり、ファンタジーと感情に満ちています.。これはまたスタジオジブリとの最後のコラボレーション実現がこれまで以上にタイムリーに感じられる理由でもあります」。彼はこう述べた。

「私のお気に入りの宮崎作品の1つは、歴史上最も商業的成功を収めた日本映画の1つである2004年のファンタジー叙事詩、『ハウルの動く城』です。ダイアナ・ウィン・ジョーンズによる1986年の同名小説を基にアレンジされたこの映画では、魔法、印象的なテクノロジー、戦争の破壊的な影響を背景に、忠誠心と思いやりの物語が描かれていて、それが信じられないほど共鳴しています。物語は戦争中の架空の王国が舞台であり、ソフィーは物語の主人公で物静かな若い帽子職人ですが、彼女の店に入ってきた魔女に呪われて老婆にされてしまいます。姿を変えられたソフィーは英雄的な中心人物になり、ハウルという名の魔法使いと出会い、王のために戦うことに抵抗に彼の行動に巻き込まれます」

「手描きとデジタルのアニメーションを融合させた『ハウルの動く城』は技術面で革新的であり、ロエベが誇りを持って共有する共有する創造的アプローチであり、古いものと新しいものの架け橋としての手工芸の力を実証しています。このコレクションでは、映画の世界に文字通り息を吹き込むようにデザインされ、大胆で緻密に作られた作品で創造性を押し上げています。主要なアイテムは愛されるキャラクターと背景を具現化していて、それらを着用する人々は映画と深いレベルで一体化でき、その豊かな世界に逃避することができます。それは手作りのウェアラブルな仮想現実のようなものです」。彼はこう付け加えた。

『ハウルの動く城』は、宮崎駿氏の監督・脚本による2004年の日本のファンタジーアニメ映画だ。イギリスの作家ダイアナ・ウィン・ジョーンズによる1986年の同名小説を基にアレンジを加えている。この映画は製作は鈴木敏夫氏、アニメーションはスタジオジブリで、東宝が配給した。この映画は、魔法と、 20 世紀初頭のテクノロジーに満ちた架空の王国が、もう一つの王国と戦争をしている世界が舞台となっている。映画では、店に入ってきた魔女に呪われて老婆に変えられた帽子屋の少女ソフィーの物語が描かれている。彼女はハウルという名の魔法使いに出会い、王のための戦争に抗う彼の行動に巻き込まれる。

2013年、宮崎氏は『ハウルの動く城』がお気に入りの作品であると述べ、「人生は、生きる価値があるものだというメッセージを伝えたかったのです。それは変わらないことだ思います」と説明した。この映画は、原作の小説とはテーマが大きく異なる。小説では階級やジェンダーの規範に抗うことに焦点が当てられているが、映画では、愛、個人的な忠誠心、戦争の破壊的な影響に焦点が当てられている。

『ハウルの動く城』は、2004 年 9 月 5 日に第 61 回ベネチア国際映画祭で初公開され、2004 年 11 月 20 日に日本で劇場公開された。そして日本で1億9,000万ドル、全世界で2億3,600万ドルの興行収入を上げ、歴史上最も商業的に成功した日本映画の1つとなった。この映画は批評家の称賛を受け、特にそのビジュアルと宮崎氏によるテーマのプレゼンテーションが賞賛された。