「Terhal」は、伝統的な芸術と舞踊をアクロバットや特殊効果と融合させている

演劇の世界において「サウジアラビアは期待の新星だ」。共同監督が語る

ハムス・サレー&ラシド・ハッサン

ドバイ：ディルイーヤに訪れた観客たちは、文化省（MOC）発の新たな制作活動の恩恵により、サウジアラビア文化を祝福する壮観なショーを楽しんでいる。

ラスベガスを拠点とする企業で劇場ショーのデザインを行なうDragoneとの提携により制作された「Terhal」は、アクロバットやスタント、空中パフォーマンス、まばゆい特殊効果を、サウジアラビアの伝統的な芸術と舞踊と融合して披露する。

公演は木曜日に始まり、3月19日まで続く。

Dragoneのシニア・クリエイティブ・ディレクターでショーの共同ディレクターでもあるフィリッポ・フェラレッシ氏によれば、同社は 4 月にMOCから電話を受け、王国で「息をのむようなショー」を上演できないかと問いかけられたという。その後チームは直ちにサウジアラビア文化の調査を開始した。

「世界のどこへ行っても、現地の文化について学び、それを深く掘り下げたいと思っている」。フェラレッシ氏はアラブニュースに対しこう語った。

「私たちは6月に本格的にショーの脚本づくりを開始したが、コンセプト、アイデア、ステージデザイン、ストーリーを考え出すのに約2ケ月半かかった」

考えがまとまり、チームは 60 人を超えるサウジアラビアのアーティストと、60 人の国際的パフォーマーをキャスティングした。彼らは観客たちを、未来を形作る上で王国の遺産と人々が果たす役割を探求する冒険へと導く。

同社はこのショーのための新しい劇場の建設を8月に開始した。

「これは私たちがサウジアラビアに持ち込んだショーではない。私たちは劇場を建て、このショーのを細部にわたりすべてデザインした」。フェラレッシ氏は語った。

「これは、劇場の建設を含め、史上最速で制作されたショーだと思っている」

DragoneはMOCから電話を受ける前から、サウジアラビア市場に「飛び込むのを待っていた」。フェラレッシ氏はこう語った。

「サウジアラビアは期待の新星であり、劇場シーンの次の主役だ。 同国では今、エンターテイメント分野への投資が拡大している。サウジアラビアが望んでいるのは、体験して、見て、学ぶことだ。サウジアラビアの人々はこのショーを体験することを本当に楽しみにしている」。彼は続けてこう語った。

「Terhal」は、時空を超えて旅するリヤドの学生サアドの物語だ。彼は仲間たちと出会い、危機や、自然の厳しさに遭遇するが、最終的には未来への鍵は彼の国の遺産の中にあることを見出す。

フェラレッシ氏によれば、チームは、ショーの準備をするとき常にサウジアラビアの聴衆を念頭に置いていた。

「各国には様々なタイプの聴衆がいる。演劇は普遍的ではあるが、シンガポールで成功するものとアムステルダムで成功するものは異なる。だから私たちはクリエイターとして、文化の普遍性だけではなく、それぞれの違いについても考慮しなければならない」。彼はこう語った。

彼は、この作品で気に入っているところは、20 か国以上から集まった現地タレントと世界的タレントの「調和的」な融合だと語った。

彼はまた、「シャバブ」として知られる 伝統的ダンサーグループの25人と共有した特別な瞬間を回想して語った。

「彼らを初めて迎えたときのことを今も覚えている。それはクリエイター人生において本当に特別な瞬間のひとつだった。なぜなら、私たちは異なるタイプのアーティストであるにもかかわらず、すぐにお互いを理解できたからだ」

「シャバブとの活動で、私は制作活動における最も重要な時期を過ごしたと言わずにはいられない。それはシャバブのダンサーたちがこのようなショーに慣れていなかったからだ。彼らは伝統的ダンサーとしてやって来たが、今や彼らはアーティストとなっている」。彼はこう語った。

「クリエーターとしての私たちの願いは、『Terhal』で観客のみなさんに同国の文化の様々な側面をすべて見てもらうことだ。このショーで観客たちは自分自身のことを認識できる。ぜひ楽しんでもらいたい」

開幕式の夜に先立ち、レバノンのサウジアラビア大使ファウジ・カバラ氏はアラブニュースに対し、「Terhal」は「ただ魅力的な演劇というだけではなく、現代のサウジアラビアが初めて観客と共有する美と才能の演劇の祭典である」と語った。

「Terhal」は、Dragoneの創設者で芸術ディレクターのフランコ・ドラゴン氏 の死後初めて公開されるDragoneの作品だ。ドラゴン氏はショーの制作初期段階に関与しており、チームは彼の遺産に対する敬意をしっかりと示したいと考えている。