ロンドン:2017年、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』は数々の記録を更新し、批評家の絶賛を受けた。約3000万本を売り上げ、ニンテンドースイッチ向けオープンワールド探索ゲームの基準を打ち立てた。
先日発売された『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』大きな期待を背負っていたが、発売後3日間で既に予想を上回る1000万本以上を売り上げている。
ゲームレビューではゲームをクリアするのに必要な時間を見積もるのがトレンドになっているが、『ゼルダ』の新作の場合それはほぼ不可能だ。ソーシャルメディア上には、既に60時間プレイしたがメインのストーリーアークがほとんど進んでいないというゲーマーたちがいっぱいいる。
実際、プレイヤーが放り込まれる世界はあまりにも広大で複雑なため、時間をつぎ込むのにほとんど怖気づいてしまうほどだ。しかし、もし時間があれば(もちろんニンテンドースイッチはその携帯性のおかげでいつでもどこでもプレイできる)、素晴らしい世界が待っている。
エルフに似た有名な主人公リンクになったプレイヤーは5分以内に、ハイラル城の地下に眠る古の悪を解き放つ過程で、守ることを誓ったゼルダ姫を見失い、剣を使い物にならなくされ、片腕を失うことになる。
リンクが目を覚ますとそこは天空の王国で、親切な幽霊から世話を受けている。リンクは失った腕の代わりに幽霊の強力な腕を与えられ、ゲームチェンジャーとなる一連の力を手に入れる。これらの力の存在はこれまでのゼルダシリーズとの本質的な違いである。リンクは新しい腕を使うと、環境を操作したり、独自の武器を作り出したり、時間を逆行させたり、天井を通り抜けて上に飛び上がったりできるのだ。
その後、これらの新しい能力がハイラルの広大なオープンワールドや天空に浮かぶ島々で解き放たれる。ここでは従来型の挑戦が待っている。祠のパズルを解き、様々な敵を倒し、無数に思える大小のクエストをクリアしなければならない。
本作ではリンクの新しい腕の能力に加え、「ゾナウギア」が導入されている。ゾナウギアを使用すると、イカダ、グライダー、ソリなどを作って広大なゲーム空間を探索することができる。ただ、祠の間を高速で移動する方が手っ取り早い。しかし、野生馬を捕まえて手なずける方がやりがいがある。馬は名前を付けて飼うことができる。
世界の探索は好奇心を満たしてくれる。クラフト機能については、様々な環境に適した服を作ったり、あらゆる種類の武器を組み合わせたり、待ち受ける厳しい試練を乗り越えるための食事を作ったりと、様々なアプローチが可能だ。
ストーリーは昔ながらの善対悪だが、悪(キャラクターらは「瘴気」と呼ぶ)を解き放ったことの影響が巧みに表現されており、前作と一線を画す、ふさわしく感じられる光景を作り出している。
今回のゼルダは気軽にプレイできる作品ではないかもしれないが、その壮大な深みに思わずのめり込んでしまうだろう。