

リヤド:ヤシン・ガッザーウィはサウジ映画の時の人だ。彼はレスリング映画の新作『アル=ハラバ』(リングの王)のスターで、国中でその顔が掲げられていない映画館はまずない。
国内の観客にはもうお馴染みの顔だが、大スクリーンへのデビューは彼の生涯の夢が実現したもので、映画の登場人物ムサーブと同じだと彼はいう。
映画の登場人物ムサーブの物語では、兄弟の会社でダラダラと働きながらもっと大きなことがしたいと望む。レスリングを愛する父に影響されて、このスポーツに飛び込み、ついには本当の情熱を見つける。
初めて台本を読んだときムサーブの挑戦は心に響き、「私が俳優としてくぐり抜けようとする試練」を映し出していたとガッザーウィはいう。
「私にできるもっと大きなことがあると、いつも考えてきました」とガッザーウィはいう。
「演技で成功するには長い間かかりましたし、他の人々にとっても時間のかかることです。それでも演技は確かに新しいことですし、夢を実現するというテーマと繋がることは私自身が今していることなので簡単でした。」
「これは負け犬の物語です。人生の転機をつかむ男の物語で、長い時間の後、自分の力でやり抜き夢を実現する決心をします…やりたいことをするのに決して遅すぎることはありません」とガッザーウィは語った。
「彼と私には似たような点がたくさんあると感じ、こうなる運命だったような気がして、いわば神の思し召しだと感じました。」
『リングの王』は結婚のプレッシャーや良い仕事に就きそれを続けることといった家族問題を扱うが、体形をけなしたり女性の能力を過小評価したりというあまり議論されない問題も浮き彫りにする。
この映画は、心温まる物語、家族で観られる冒険物語で、若者を自立に向け勇気づけ、「人生のどの段階にいても、自分の夢を実現することは誰にも止めさせるな」という明確なメッセージがあると認められている。
ジャック・ブラックのレスリング映画『ナチョ・リブレ 覆面の神様』を見て、ばかばかしい面白さが印象的で、自分も同じことがしたいと思ったとガッザーウィは回想する。
何週間かしてMBCスタジオの代表から彼が適役の台本があると電話があった。「鳥肌が立ちました」と彼はアラブニュースに語った。
この筋書きは昨年のレスリングコメディー『サッタル』にも似ていて、これは現在いま最高の興行収入を上げているサウジ映画だ。双子の映画はハリウッドでもたびたび起こる現象で、レスリングはサウジの人々が大好きなテーマの一つだとガッザーウィはいう。
「2本のレスリング映画があって、どちらも見て面白い良い映画というのは素晴らしいことです。映画を見て私たちを高く評価してくれる人々が必要なのです。アラブやサウジの良い映画を見てほしいのです」と彼はいう。
「私にとって、これ以上の成功はありません。『サッタル』が成功しているのは私が成功しているのと同じようなものです(し、その反対もいえます)。もし2本とも成功しているなら、それは映画産業の成功です。」王国の映画・テレビ産業が「驚異的な」支持を得ているとガッザーウィは認めるが、やるべきことはまだあると彼はいう。
「この産業は良い状態に向かっていて、この制作に関わる人々が重い責任を負っていると気付き、…人々の人生に影響を絶えることを意識する必要もあるように感じます。」
コメディーは彼が情熱を注ぐことの一つではあるが、ガッザーウィは『The Office』(ジ・オフィス)のサウジ翻案である『アル=マクタブ』で最近テレビに出演し、他のジャンルに進出したいと望んでいる。
「何でもやってみたいです…私の役者としての目標は世界に届くことで、世界の人々がサウジ映画を見てその真価を認め、外国映画と同じくらい好きになってほしいのです」と彼はいう。
『リングの王』はMBCスタジオ、イメージ・ネーション、Voxシネマの共同製作。出演者は他にサナ・バクル・ユヌス、モハメド・ロトフィ、ハキーム・ジョマ、サルマ・アブ=デイフ、マヒラ・アブデラジーズ、シャディ・アルフォンス、ファイサル・クルディ。