
安倍晋三首相は、日本は世界の主要国の先頭に立って、弱体化する世界経済の支援を目指す意志であると述べ、世界的な金融市場の「混乱」に立ち向かうには政策の協調がきわめて重要だと注意を呼びかけた。
14日の首相の発言は、ホワイトハウスによるドナルド・トランプ大統領が来週早々にG7首脳とコロナウィルスについてビデオ会議を行う予定だとの発表を受けて行われた。
安倍首相はまた、日本政府はコロナウィルスの発生により大きな痛手を受けている経済を支援するために、与党議員による一時的に国内の消費税を減税するという提案を含む、さまざまな選択肢を考慮するとも述べた。
「当面はウィルスの封じ込めに焦点を置きます。そのあとで、日本経済の足元をふたたび固めなくてはなりません。この実現のために、大胆で先例のない対策を講じていきます」と、首相は会見で述べた。首相は、感染の流行が市場を揺るがすなかで、G7やG20などの枠組みを用いて、経済政策などのグローバルな協調の先頭に立つことを目指す意志であると述べた。
「[世界経済への]コロナウィルスの影響は甚大で、市場は混乱に陥っています」と首相は述べた。
「政府は、日銀との協調に加え、他の諸国と緊密に協調していきます。必要があれば、G7やG20での合意に従って、適切な対応を取っていきます。」
G7やG20諸国は、ウィルスが経済に与える衝撃を回避するためにあらゆる必要な対策を講じると誓っているが、先週の、感染症が世界同時不況を引き起こしかねないという不安による、資産価値の大幅な下落を防ぐことはほとんどできなかった。
安倍首相は、世界的なコロナウィルスの発生により、競技の実行可能性に関して懸念が広がっているが、日本はオリンピックを主催する準備を依然継続している、とも述べた。
安倍首相の発言は、渡航禁止やイベントの中止により消費が冷え込む中、日本での景気後退のリスクが高まっていることに対する政策当局の懸念を浮き彫りにしている。
日銀がウィルスによる経済的負担を軽減するための追加金融緩和策を講じると期待される中、政府はすでに大規模な財政支出策に取り組んでいる。
安倍首相は側近と与党有力者の甘利明氏に、経済活性化のための減税を検討するように指示したと、日経新聞が14日に報じた。日経の報道によると、与党自由民主党税制調査会会長の甘利氏は、経済成長を下支えするための財政、及び税制措置に関する様々な選択肢を安倍首相と話し合った。
これまで長い間、減税が経済成長の下支えの手段として除外されてきたのは、日本は主要経済大国の中で最大の、経済規模の2倍に当たる公的債務を抑制する必要があるからだ。これまで日本政府は、一部の議員から出ている昨年10月に8%から10%に引き上げられた消費税の減税に対する要求を退けてきた。
財務相の麻生太郎氏は先週、財務省は経済支援策の一環としての減税に反対しないと述べたが、減税の可能性のある税金の種類については詳述しなかった。
ロイター通信