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デング熱の流行にたじろぐイエメンの病院

イエメンの首都サナアで2020年4月4日、COVID-19のコロナウイルスのパンデミックのさなか、マスクと手袋を着け利用客のひげをカットするイエメン人理髪師。(AFP通信)
イエメンの首都サナアで2020年4月4日、COVID-19のコロナウイルスのパンデミックのさなか、マスクと手袋を着け利用客のひげをカットするイエメン人理髪師。(AFP通信)
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07 Apr 2020 06:04:59 GMT9
07 Apr 2020 06:04:59 GMT9
  • 病院の管理者は救急処置室での恐怖感とプレッシャーを軽減する措置として、デング熱患者に処置を施すために特別なテントを設置している。

サイード・アル=バターティー

ムッカラー:コロナウイルス病(COVID-19)患者の殺到に対処する可能性に備える中、イエメンでの致命的なデング熱の流行が国内の切迫した医療システムに大きなプレッシャーを与えている、と医師たちが警告している。

イエメン南東部にあるハドラマウト県の県都、ムッカラーのイブン・シーナ病院に勤める医療従事者たちは、手袋やマスクすら着けられないままCOVID-19感染が疑われた死亡した患者の治療を余儀なくされた後、個人用保護具(PPE)を支給するようにスタッフに求める抗議運動を行った。

最近イエメン全域で起きた洪水によりデング熱流行の新たな波が発生し、59人もの死者を出し、7,400人以上が感染した。このウイルスは蚊によって伝播され、 COVID-19と非常によく似た呼吸器系の問題と症状を引き起こす。

資金不足のため、イエメン保健当局は不可欠な殺虫剤の噴霧を実施することができず、デング熱患者の数が病院を圧倒する前に感染拡大を抑えるため、イエメン政府や国際援助機関の早急な介入を求めている。

イブン・シーナ病院の医師、Tawfeeq Balteour氏によると、若い男性患者の死因はCOVID-19ではなくデング熱であると検査の結果で判明したが、その翌日には不安を感じた医療関係者たちがPPEを求めて抗議デモを行った。

「(病院側の)管理者は、(COVID-19の)最初の症例が見つかった時に(PPEの)在庫を放出すると言います」と、抗議に参加したBalteour氏は述べた。「季節性のデング熱による死亡は、医師たちの間で恐怖を引き起こしています。」

当局者は、PPEが大幅に不足していたので、新世界保健機関(WHO)からの支援物資が届くまでは病院は在庫を使わないようにしていた、とアラブニュースに語った。

アデン、タイズ、ラヒジュ、ハドラマウト、アビヤン、シャブワは最近のデング熱流行によって最も悪影響を受けた地区であると、アデンに拠点を置く国家マラリア対策プログラム担当者のYasser Abdullah Baheshm Aden博士は語った。同博士は、アデンだけで42人がデング熱で亡くなったと付け加えた。イエメンの病院で働く医師たちは、COVID-19の症状がある患者の治療にますます慎重になっている。

港町アデンのアル・ジュムフリ病院に勤める医師、Farouq Qaid Naji氏は、アラブニュースにこう語った。「(デング熱の)新しい症例は、毎日少なくとも25件あります。増加する新しい患者は、医師、看護師、医療従事者を恐怖に陥れています。」

病院の管理者は救急処置室での恐怖感とプレッシャーを軽減する措置として、デング熱患者に処置を施すために特別なテントを設置している。

Baheshm氏はCOVID-19が国中に広がった場合に備え、デング熱の感染拡大に取り組む迅速な措置をイエメン政府に求めた。

「医療施設はデング熱の症例に苦しんでおり、この病気はCOVID-19 と戦うための取り組みや注意を分散してしまいます。イブン・シーナ病院のベッドのほとんどはデング熱患者が使っています。このベッドはコロナウイルス患者のために必要です。

「最近の雨と洪水の後、患者数と死亡者数は急速に増加すると予想されます。保健教育キャンペーンが急務です。また、ベクターの繁殖場所を狙い、屋内外で煙霧殺虫剤の噴霧を始めることを目標にしています」と付け加えた。

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