
日銀は19日、市場に出回る資金や債券の量を調節する緊急オペレーション(公開市場操作)を実施し、国債1兆円の買い入れに踏み切った。急ピッチで上昇する長期金利の抑制が狙いとみられる。日銀は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、16日に決めた追加金融緩和策の中で、国債買い入れを積極的に実施する方針を示していた。
前日の東京債券市場では、長期金利の指標とされる10年物国債の流通利回りが0.07%に上昇(価格は下落)し、2年3カ月ぶりの高水準となった。世界的なコロナ感染拡大を受けて金融市場が混乱し、投資家の間では、株式や債券などを売って現金を手元に置く動きが広がっている。このため、日銀は機動的な国債買い入れにより、市場の不安心理を和らげるのが狙いとみられる。
時事通信社