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日本では、エネルギー安全保障への懸念から、2040年計画では原子力が再び支持されている

2011年の福島原発事故以降、原子力発電への依存を減らし、化石燃料による発電を70%に増やした。(AFP)
2011年の福島原発事故以降、原子力発電への依存を減らし、化石燃料による発電を70%に増やした。(AFP)
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04 Jun 2024 04:06:28 GMT9
04 Jun 2024 04:06:28 GMT9

東京:日本は来年予定されているエネルギー政策の更新で、電力需要の増大と地政学的リスクの高まりに直面する中、安定した電力供給を求め、原子力発電をさらに推進するようだが、目標達成には苦戦しそうだと業界専門家は指摘する。

2050年までに二酸化炭素排出量を正味ゼロにすることを目標に掲げているにもかかわらず、2011年の福島原発事故以降、同国は原子力発電への依存を減らし、化石燃料の利用を増やして電力の70%を賄うようになった。

しかし、2022年にロシアのウクライナ戦争による石炭とガスの価格高騰と供給途絶に直面した政府は、安定したエネルギー供給を確保するために、風力発電や太陽光発電とともに原子力の利用を拡大したいと考えている。

「二酸化炭素排出量からエネルギー安全保障に重点が移っている。エネルギー安全保障は日本にとって常に重要ですが、液化天然ガスの不足、高価なLNG、供給不足など、多くの課題があったため、今はなおさらです」と、コンサルタント会社ウッド・マッケンジーのアレックス・ウィットワース副社長は言う。

LNGの世界第2位の輸入国であり、一般炭の主要な買い手である日本が原子力発電を強化する方向にシフトすれば、オーストラリア、カタール、アメリカ、インドネシアなどの化石燃料の輸出国に打撃を与えることになる。

3年ごとに改定される日本のエネルギー政策に関する議論は先月始まった。岸田文雄首相が2022年に原発推進に舵を切って以来、初めての改定となる。

国際大学学長の吉川武夫氏は、「政策を議論する委員会のメンバーの圧倒的多数は原発推進派であり、新しい政策には新しい原子炉の建設が含まれるかもしれない」と述べた。

2030年のエネルギーミックス目標である原発比率20%~22%が、次の目標年である2040年にどう変わるかは不明だ。しかし、地政学的な緊張がエネルギー供給の途絶や電力価格高騰のリスクを高める中、エネルギー企業や産業界は原子力発電の利用拡大を求める声を強めている。

日本最大の原子力発電事業者である関西電力は、「エネルギー安全保障と脱炭素化のために原子力を最大限に活用すること、そして電力需要の増加に対応するために原子炉を更新・新設する必要性について、次期エネルギー計画で明確にすることを求めている」と述べた。

政府は、半導体製造工場やデータセンターからの需要増に伴い、2050年までに発電量を最大50%拡大する必要があるかもしれないと述べている。

困難な課題

規制上のハードル、国民の反対、高いコスト、激しい地震、長い開発期間などの理由から、原子力発電で増大する電力需要を満たすことは困難であると、学者やエネルギーアナリストは述べている。

地元住民の抵抗や、規制当局による既存原子炉の再稼働認可の遅れのため、2030年の原子力発電の目標には届かず、15%にとどまる可能性が高いとキッカワ氏は述べた。

過去に原子力発電所の建設に数十年を要したことを考えると、2050年までに新たな原子力発電容量を追加することは難しいかもしれない、と彼は言った。
キッカワ氏とウッドマックのウィットワース氏は、2030年までに石炭火力とLNG火力を合わせて39%まで削減するという政府の目標に反して、火力発電が供給ギャップを埋めなければならないだろうと述べた。

「原子力発電の目標が最も非現実的なのは、再稼働に地元の同意を得る必要があるため、政府がその目標を達成できるかどうかコントロールできないからです。ですから、石炭とガスには大きなプラス面があります」とウィットワース氏は語った。

エネルギー政策を見直す一方で、日本は2035年以降の温室効果ガス排出削減目標を設定し、来年初めまでに2040年までの脱炭素化戦略を策定する予定だ。

自然エネルギーの成長を加速させ、化石燃料の発電量を減らすことは、これらの目標を達成し、価格を下げることにつながるだろう。

東京大学未来構想研究所の高村ゆかり教授は、「日本経済は過去2年間、化石燃料価格によって大きな打撃を受けてきた」と語る。

政府のエネルギー政策懇談会のメンバーである高村氏は、日本は稼働中の石炭火力発電所を段階的に廃止していくロードマップを示すべきだと言う。

「再生可能エネルギーによるエネルギーの国内生産を促進することは国益に適う」と彼女は言い、脱炭素化要因で評価されている日本企業の競争力を向上させると付け加えた。

ロイター

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