ロンドン/シンガポール】アブダビ国営石油会社(ADNOC)は、ルワイス液化天然ガス(LNG)プロジェクトの40%の権益を、エネルギー・メジャーのシェル、トタル・エナジーズ、BP、日本の三井物産の4社に割り当てた、と関係筋がロイターに語った。
この4社は、アラブ首長国連邦(UAE)のLNG生産量を2倍以上にするプロジェクトに10%ずつ出資し、2028年後半までに年間約960万トンを生産する予定だという。
ある情報筋によると、ADNOC はもう 5%の権益を別のパートナーに譲渡する予定であるという。
また、ADNOCは年産2百万トンの権益を株主に割り当てたと、別の関係者は他の関係者と同様に匿名を条件に語った。
同筋によると、各社は市場よりも安い価格で引取を行う予定だが、柔軟性は低いという。
ADNOC、シェル、BP、トタルエナジーズはコメントを控えた。三井物産はコメントの要請にすぐに応じなかった。
6月に最終投資決定を受けたこのプロジェクトは、シェルとトタルエナジーの中東・アジアLNG取引にとって鍵となることが期待されている。
国営石油大手のシェルは、再生可能エネルギーや石油化学とともに、将来の成長の柱となるガスとLNGに大きな野心を抱いている。LNGの生産量は現在約600万トン/年だが、将来的には1,500万トン/年に引き上げることを目指している。
ロシアのウクライナ侵攻後、天然ガスの需要が急増したため、湾岸諸国はその恩恵を受けようとしている。カタールは今年、ノース・フィールド・プロジェクトのさらなる拡張を発表し、世界有数のLNG輸出国としての地位を固めた。
ADNOCはすでに、ドイツのEnBWおよびSecuring Energy for Europe(SEFE)、中国のENN Natural Gasと供給契約を締結している。
このプロジェクトは、クリーンな電力で稼働するこの地域初のLNG輸出施設となる見込みだ。
ロイター