
ドバイ:世界経済フォーラムのチーフエコノミストによる最新の見通しによると、世界中のチーフエコノミストのほぼ半数(48%)が、2024年と2025年の中東および北アフリカ地域における成長は緩やかなものになるだろうと予測している。
国際通貨基金(IMF)の予測によると、中東・北アフリカ(MENA)地域の成長率は2024年の2.2%から2025年には4%に上昇すると見込まれている。
今年と来年、この地域で力強い成長を予測しているのはわずか17%で、2024年には31%、2025年には34%が弱い成長を予測している。
南アジアは最も成長の可能性が高い地域であり、10人のチーフエコノミストのうち7人が2024年と2025年に「強い成長」または「非常に強い成長」を予測している。米国も明るい見通しであり、90%近くが今年「強い成長」または「中程度の成長」を予測している。
一方、ヨーロッパは遅れをとっており、回答者のほぼ69パーセントが今年の成長は弱いと予想している。
今週発表されたこの報告書は、主要なチーフエコノミストを対象とした調査に基づいている。それによると、「インフレの緩和と世界的な商取引の活況」が、世界経済の回復に対する「慎重な楽観論」の主な推進要因となっていることが分かった。
しかし、先進国(53パーセント)と発展途上国(64パーセント)の両方で、債務水準の高まりが懸念を増大させている。
地政学的な緊張は、マクロ経済に衝撃を与える潜在的な要因であり、回答者の91%が、世界的な協力努力を損なうと回答している。
ヨーロッパから中東まで、世界中で発生しているさまざまな紛争は、人道的にも経済的にも各国経済に打撃を与えている。各国は数々の地政学的な混乱に適応してきたが、そのプロセスはコストがかからないものではないと、報告書は述べている。
例えば、紅海での船舶への攻撃の増加により、2024年4月から7月にかけて、東アジアと北欧間の輸送コストは2倍以上に増加した。
また、最新の『世界投資報告書』では、昨年の世界的な外国直接投資の10%減の主な要因のひとつとして、地政学的な緊張の悪化を挙げている。
世界的なインフレ率は低下を続けており、IMFの予測では、2023年の年間インフレ率6.8%から2024年には5.9%に低下する見通しである。
先進国(2.7%)と発展途上国(8.2%)の間で予測値に大きな開きがあるものの、いずれも新型コロナウイルス感染症の流行前の水準を上回っている。
大半のチーフエコノミスト(63%)は、中東・北アフリカ(MENA)地域では今年、緩やかなインフレが起こると予想しており、この数字は来年には68%に増加する。両年とも低インフレを予想する回答者はおよそ20%で、2024年と2025年に同地域で高インフレが起こると予想する回答者はそれぞれ11%と15%にとどまった。
一方、米国で高インフレを予想する回答者の割合は、2024年の21%から2025年には6%に減少した。
同様に、ヨーロッパでも、高インフレを予想する回答者の割合は、今年度の21%から来年度は3%に減少した。
この調査では、特に米国(91%)、ヨーロッパ(91%)、中国(84%)において、今後1年間に金融政策が緩和されることが示唆されている。
中東・北アフリカ地域では、62%が金融政策の緩和を予想しているが、35%は現状維持を予想している。