シンガポール：木曜日、原油価格は2週間ぶりの安値からやや上昇した。投資家は中東情勢の進展や中国の景気刺激策の詳細、そして米国の公式な石油在庫データの発表を待っている。

ブレント原油先物はサウジアラビア時間午前7時8分までに1バレルあたり17セント（0.2%）上昇し、74.39ドルとなった。一方、米国産ウェスト・テキサス・インターミディエイト原油先物は19セント（0.3%）上昇し、1バレルあたり70.58ドルとなった。

両指標価格は水曜日に下落し、10月2日以来の最低水準で2日連続で取引を終えた。

OPECと国際エネルギー機関（IEA）が2024年と2025年の需要予測を下方修正したことを受け、今週に入ってからは、指標価格は6～7%下落している。

また、イスラエルによるイランへの報復攻撃が石油供給を混乱させるのではないかという懸念が和らいだことでリスクプレミアムが低下し、価格も下落しているが、中東での紛争の不透明性は依然として残っている。

「私たちは今、2つの事柄を待っている。まず、中国全人代常務委員会が財政刺激策の詳細と規模を明らかにすることだ。私は、その刺激策が実施されると信じている」と、シドニーのインターナショナル・グレード（IG）市場アナリスト、トニー・サイカモア氏は述べた。

投資家は、低迷する経済を活性化させるために10月12日に発表された広範な計画について、北京からさらなる詳細を待っている。

中国は木曜日、低迷する不動産市場を活性化させるため、融資対象となる住宅プロジェクトの「ホワイトリスト」を拡大し、そのような開発に対する銀行融資を4兆元（5620億ドル）に増やすと発表した。

サイカモア氏は、イランによる最近の攻撃に対するイスラエルの対応が市場の2つ目の大きな焦点であると述べた。

「それは起こるだろう。我々はそれを知っているが、いつ起こるかはわからない」と彼は述べ、両方の要因が原油価格の上昇リスクを生み出していると付け加えた。

イランでは、当局が同国のIRNA通信が水曜日に伝えたところによると、ハルグ島沖での原油流出を制御しようと取り組んでいる。

「これはイスラエルとハマスの戦いとは無関係のようだが、イランの石油輸出施設に注目が集まっている」と、ANZのアナリストはメモに記している。

米国では、原油と燃料の在庫が先週減少したと市場筋が伝えた。水曜日には米国石油協会の数字を引用し、原油在庫の積み増しが予想されていたが、それとは反対の結果となった。

原油在庫は10月11日までの1週間で158万バレル減少したと、匿名を条件に情報筋が伝えた。ガソリン在庫は593万バレル、留出油在庫は267万バレル減少したという。

ロイター通信が取材した10人のアナリストは、10月11日までの1週間の原油在庫は平均で約180万バレル増加したと推定していた。

「EIAの週間在庫報告書に需要低迷の兆候が見られると、原油価格にさらなる下落圧力がかかる可能性がある」と、ANZのアナリストは述べた。

米国エネルギー省の統計部門であるエネルギー情報局は、木曜日のサウジアラビア時間午後6時にデータを発表する。

また、欧州中央銀行（ECB）は木曜日に13年ぶりに連続して金利を引き下げる見通しであり、これは原油価格を支える要因となる。ECBはユーロ圏のインフレ抑制から経済成長の保護へと焦点を移している。

ロイター