シンガポール：水曜日の原油価格は、業界データが米国の原油在庫が予想以上に増加したことを示すと下落した。しかし、イスラエルがガザ地区とレバノンへの攻撃を継続していることを受け、中東での外交努力を市場が注視しているため、下落幅は限定的となった。

ブレント原油先物は、サウジアラビア時間午前9時40分までに1バレルあたり50セント（0.7%）安の75.54ドルとなった。米国産ウェスト・テキサス・インターミディエイト原油先物は、50セント（0.7%）安の1バレルあたり71.24ドルとなった。

原油先物は、今週の2回の取引では高値で取引を終えた。

INGのアナリストは水曜日に、「市場は、イランのミサイル攻撃に対するイスラエルの対応を待ち続けている」と述べ、火曜日の原油価格の上昇は、米国務長官のアントニー・ブリンケン氏がイスラエルを訪問した際、結果が得られなかったことが原因である可能性があると付け加えた。

ブリンケン氏はイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相およびイスラエル政府高官と「長時間にわたる会談」を行い、ガザ地区への人道的支援の拡大を強く求めたと、米国務省高官が述べた。

また、イスラエルは、先月イスラエル軍の攻撃により死亡したイラン系レバノン武装組織ヒズボラの故ハッサン・ナスララ議長の後継者と目されるハシェム・サフィディン氏を殺害したことを確認した。

「市場参加者は、中東紛争が長引くことを織り込み、停戦合意が一部で停滞する可能性も見込んでいます」と、IGのマーケット・ストラテジスト、イェップ・ジュン・ロン氏は述べた。

「中国の最近の景気刺激策は、状況の安定化に一定の成功をもたらすか、あるいはより持続的な回復を推進する可能性があり、それは石油需要に好影響を与えるかもしれない」とイェップ氏は付け加えた。

一方、市場筋によると、アメリカ石油協会の数字を引用した火曜日の情報によると、先週の米国の原油在庫は164万バレル増加し、価格に圧力をかけた。ロイター通信が調査したアナリストらは、原油在庫が30万バレル増加すると予想していた。

米国政府による公式の石油在庫データは、サウジアラビア時間水曜日の午後5時30分に発表される予定である。

フロリダのリッターブッシュ・アンド・アソシエーツのジム・リッターブッシュ氏は、「原油価格が短期間で売られ過ぎから買われ過ぎの領域まで変動しているため、市場のどちらかの側にポジションを維持することは難しい」と述べた。

ゴールドマン・サックスは火曜日、OPEC+（石油輸出国機構とロシアを中心とする同盟国からなるグループ）における原油の適度な供給過剰と生産者の予備能力を基に、2025年の原油価格は1バレルあたり平均76ドルになると予想した。

ロイター