
東京: 日本の武田薬品工業は通期決算発表に先立ち、欧州で最大6億7000万ドルのOTC(一般用医薬品)事業を売却し負債圧縮に充てると発表した。
日本最大の製薬会社である武田は、2019年1月に完了した590億ドルのシャイアー買収に続き、債務削減のため非中核事業を100億ドルで売却することを確約した。同社は5月13日に通期利益を発表する予定。
武田は金曜、ヨーロッパで販売されている一部のOTCおよび処方薬製品をデンマークに拠点を置くオリファーム・グループに売却すると発表した。デンマークとポーランドの2つの製造拠点を含むこの売却は規制当局の承認および 通常 の取 引完了条件に従い、約6億7000万ドル相当となる。
この発表に先立ち、武田が日本に拠点を置くコンシューマーヘルスユニットを約4,000億円(37億2000万ドル)で売却しようとしていると日経ビジネスが報じていた。
武田コンシューマーヘルスケアの買い手には、大正製薬と大規模投資ファンドが含まれる可能性があると日経は報じた。武田と大正はコメントを控えた。
モーニングスターのアナリスト、ジェイ・リー氏は「日本のコンシューマーヘルスケア事業は同社の中核事業ではなく、重複もほとんどないため、この売却は驚きではない」と述べた。
武田のクリストフ・ウェーバーCEO(最高経営責任者)は昨年、栄養ドリンクのアリナミン製品で知られる日本を拠点とするコンシューマーユニットの売却の可能性は低いとしていた。
Refinitiv社のデータによると、武田は2019年、中東・アフリカの資産およびノバルティスへの53億ドルでのドライアイ薬売却を含め70億ドルの売却を完了している。先月、ラテンアメリカの非主力製品をハイペラファーマに8億2500万ドルで売却すると発表した。
武田の株価は東京市場で2.2%上昇し、その他市場では0.9%下落した。武田株は今年に入って14%下落している。
ロイター