
東京:ホンダと日産は、合併の可能性を含め、関係を深めるための協議を行っていると、2人の関係者が水曜日に語った。かつては無敵に見えた日本の自動車産業が、テスラや中国のライバルからの挑戦によって、どのように形を変えつつあるかを示す、これまでで最も明確な兆候である。
ホンダと日産が合併すれば、年間生産台数740万台、540億ドルの企業が誕生し、トヨタとフォルクスワーゲンに次ぐ世界第3位の自動車販売台数を誇る自動車グループとなる。
両社はすでに3月、電気自動車開発で協力するための戦略的パートナーシップを結んでいたが、ここ数カ月で日産が財務的・戦略的問題を深めていることから、より大きなライバルであるホンダとの緊密な協力が急務となっている。
日産は先月、中国とアメリカでの販売不振により第2四半期の利益が85%急落したため、9,000人の雇用削減と世界生産能力の20%削減を含む26億ドルのコスト削減計画を発表した。
伊藤忠総研の深尾三四郎エグゼクティブ・フェローは、「今回の買収は日産救済の意味合いが強いように見えるが、ホンダ自身は安泰ではない。ホンダのキャッシュフローは来年悪化し、EVもあまりうまくいっていない」
日本第3位の自動車メーカーである日産自動車の株価は、水曜日の東京市場で22%以上急騰したが、第2位のホンダの株価は2.3%下落した。三菱の株価は13%上昇した。
自動車メーカーは、特に中国でBYDなどが躍進しているEVメーカーからの挑戦に取り組んでいる。
日経新聞が最初に報じたホンダと日産の協議は、両社が技術面でより協力することを可能にし、トヨタに対抗できるより強力な国内ライバルを作るのに役立つだろう。
協議は、協業を強化する方法を見つけることに重点を置いており、持株会社設立の可能性も含まれていると、情報が公開されていないため身元を明かさなかった関係者は語った。
また、日産が24%の株式を保有する筆頭株主である三菱自動車と協力する方法も検討しているという。
ホンダ、日産、三菱自動車は、いずれの企業からも合併は発表されていないとしているが、日産は、3社は以前から将来的な協力の機会を検討していると述べていたと述べている。
日産の大株主であるフランスの自動車メーカー、ルノーは、情報はないとし、コメントを控えた。
ホンダの時価総額は約440億ドルで、日産の時価総額は水曜日の価格高騰の後で約100億ドルである。
つまり、完全な合併は、2021年にフィアット・クライスラーとPSAがステランティスを設立するために行った520億ドルの巨大な取引よりも大きくなる。
状況の変化
この1年、テスラとBYDが仕掛けたEVの価格競争は、次世代自動車で損失を出している自動車メーカーへの圧力を強めている。そのため、ホンダや日産のような企業は、コスト削減と車両開発のスピードアップの方法を模索する必要に迫られており、合併はその方向への大きな一歩となっている。
東海東京インテリジェンス研究所のシニアアナリスト、杉浦誠司氏は「中長期的には、トヨタに対抗する第二の軸ができるため、日本の自動車業界にとっては良いことだ」と語る。
「トヨタとの建設的なライバル関係は、中国自動車メーカーやテスラなどと競争しなければならない時、むしろ停滞している日本の自動車業界にとってプラスになる」
ドナルド・トランプ次期大統領は、カナダとメキシコから出荷される自動車に25%の関税をかけると脅すなど、輸入車に対して強硬路線を取ることを宣言している。自動車業界関係者によると、トランプ大統領はホンダと日産に譲歩を求め、買収を承認する可能性があるという。
ホンダと日産はともに、アメリカに輸出する自動車をメキシコで生産している。
ホンダと日産が合併を進める場合、両社の異なる企業文化をどのように融合させるかを検討しなければならないだろう、とアナリストは語った。
みずほ銀行のシニアリサーチャーであるタン・ジン氏は、「ホンダはパワートレインに強みを持つ技術中心のユニークな企業文化を持っているため、異なる企業文化を持ち、現在低迷している競合他社である日産との合併には、社内の抵抗があるはずだ」と述べた。
ロイター