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ガザ北部のハマス司令官が戦死

イスラエルとハマス間の緊迫した休戦は、イスラエル人およびパレスチナ人の人質が解放されたことで、再び軌道に乗ったようにみえた。(ファイル/AFP)
イスラエルとハマス間の緊迫した休戦は、イスラエル人およびパレスチナ人の人質が解放されたことで、再び軌道に乗ったようにみえた。(ファイル/AFP)
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27 Nov 2023 01:11:54 GMT9
27 Nov 2023 01:11:54 GMT9
  • ハマスがアーメド・アル・ガンドゥール氏の死亡を発表。同氏は、死亡したことが確認されている同グループの最高幹部である。
  • アル・ガンドゥール氏は同武装組織の高官であり、ガザ北部におけるハマスの最高司令官だった。

ガザ地区、ディール・アル・バラ:ハマスは、イスラエルとの戦争で最高司令官の一人が死亡したと発表した。

同武装グループは26日、アーメド・アル・ガンドゥール氏の死亡を発表したが、いつ、どこで殺害されたかは明らかにしなかった。彼は、10月7日のハマスによるイスラエルへの攻撃が引き起こした戦争において、死亡したことが確認された同グループの最高幹部である。

アル・ガンドゥール氏は同武装組織の高官であり、ガザ北部におけるハマスの最高司令官だった。

ワシントンに本部を置く支援団体、「反過激主義プロジェクト(Counter Extremism Project)」によれば、彼は2002年までさかのぼる、少なくとも3回のイスラエルによる殺害未遂を生き延びてきた。

イスラエルとハマスの間の緊迫した休戦は、26日の早朝、ガザの武装勢力に拘束されていた第二グループの人質、およびイスラエルの刑務所に抑留されていたパレスチナ人が解放されたことで、再び軌道に乗ったように見えたが、この交換は数時間の遅延に続いて行われ、この休戦の危うさを浮き彫りにした。

イスラエルが合意に違反しているとハマスが非難したため、交換は25日の夕方に延期された。この合意は、イスラエル・パレスチナ間において過去数十年で最も大きな死者を出し、ガザ地区全域で甚大な破壊と避難民が発生し、イスラエルを震撼させた人質事件によって特徴づけられる7週間の戦争において、最初の重要な休止をもたらしたものだった。

交換の妨げとなっていた障害が解消されたと、ハマスと交渉するカタールとエジプトが25日遅くに発表するまで、合意は決裂の危機に瀕していた。武装勢力は13人のイスラエル人を含む17人の人質を解放し、イスラエルは39人のパレスチナ人囚人を解放した。

25日夜、テルアビブ中心部に何千人もの人々が集まり、10月7日のハマスによる南部イスラエルでの襲撃で捕らえられた約240人全員の解放を求めた。彼らは、ベンヤミン・ネタニヤフ首相が彼らの帰還に十分な努力をしていないと非難した。

人質の家族からの圧力と、攻撃を防ぐことに失敗したイスラエル政府への怒りが続く中で、同国の指導者たちは軍事的かつ統治的な力の行使でハマスを排除しようと試みながら、同時にすべての捕虜を安全に連れ戻すというジレンマを深めている。

この戦争はすでに1200人以上のイスラエル人の命を奪っており、そのほとんどが最初の攻撃でハマスに殺された民間人である。ハマスが支配するガザの保健省によれば、1万3300人以上のパレスチナ人が殺され、そのおよそ3分の2が女性と未成年者だという。

24日に始まった4日間の停戦は、カタール、エジプト、米国が仲介した。ハマス側は少なくとも50人のイスラエル人人質を、イスラエル側は150人のパレスチナ人囚人を解放することになっている。全員が女性と未成年である。

イスラエルは、10人の人質が解放されるごとに停戦を1日延長できると述べているが、停戦が終了すれば、すぐに攻撃を再開すると宣言している。イスラエルは26日未明、4回予定されている人質交換の3回目として、その日のうちに解放される予定の人質の新たなリストを受け取ったと発表した。

ガザにおける援助と休息

この戦闘の一時停止は、人口の4分の3が家から追われ、住宅地を破壊するイスラエルの執拗な砲撃にいまだ怯えているガザの230万人に、数日間の平穏をもたらしている。ガザの武装勢力から発射されていたイスラエルへのロケット砲も沈黙した。

攻勢が集中しているガザ北部の戦争で疲弊したパレスチナ人たちは、空爆で建物が破壊され、通りにがれきが散乱している状態の地域に戻り、被害を調査している。ガザ市内およびその周辺の市街地全体が、空爆によって壊滅的な被害を受けている。

北部から何十万人もの人々が避難しているガザ南部では、休戦開始から2日目も住民がガソリンスタンドの前に並び、燃料を買いだめしようとしていた。自宅がまだ無傷かどうかを確認するために北部に戻ろうとしたパレスチナ人は、イスラエル軍に追い返された。

「多くの人が家に戻りたいと切望しているが、南から接近する者はすべて発砲されている」と、先月ガザ市から逃れたラミ・ハザレインさんは語った。

国連によると、この休戦により、食糧、水、医薬品の輸送を戦争開始以来最大規模に拡大することが可能になったという。また、燃料も12万9000リットルと、開戦前の水準における1日あたりの消費量の10%強を届けることができたほか、調理用ガスも開戦以来初めて届けることができた。ガザ北部にも1カ月ぶりに援助が届いた。

26日に人質解放が遅延した際、ハマス側は、援助物資が期待された量に届かず、また十分な物資が北部に届いていないと主張した。さらに、イスラエルは長期服役中の囚人を十分に釈放していないとも述べた。

多くのパレスチナ人は、致命的な攻撃に関与した囚人を含め、イスラエルに拘束されている囚人を、占領に抵抗する英雄とみなしている。

人質家族にとっての複雑な瞬間

深夜、ハマスが2番目の人質グループとして、13人のイスラエル人と4人のタイ人を解放した。彼らはエジプトに引き渡され、その後イスラエルに移送され、病院に運ばれた。

ハマスは、人質がマスクをした武装勢力によって赤十字車両に連れて行かれる様子を映した動画を公開した。人質のほとんどは衰弱していたが、身体的には概ね良好な状態に見える。1人の少女は松葉杖をついており、左足にギプスをはめていた。

ネタニヤフ首相の事務所は、26日に解放されたイスラエルの人質には7人の子供と6人の女性が含まれていると発表した。

ほとんどがキブツ・ベエリの出身であり、これはハマス過激派が10月7日の越境攻撃で襲撃した地域である。

子どもたちは3歳から16歳まで、女性は18歳から67歳までだった。

コミュニティが破壊されて以来、死海付近のホテルで暮らしてきたベエリの住民にとっては、これは複雑な瞬間だった。キブツの報道官によると、解放された人質は全員、10月7日の襲撃で家族が殺されたか、まだガザに捕虜として捕らわれている、愛する家族がいるという。

ヨルダン川西岸地区での英雄的歓迎

パレスチナ人囚人の一部は東エルサレムで解放されたが、大部分はヨルダン川西岸地区で英雄的歓迎を受けて帰還した。

釈放された者の中には、ハサミでイスラエル兵を刺そうとした罪で13年半の懲役を言い渡された2016年当時17歳のヌルハン・アワドさんもいた。イスラー・ジャービスさんは、イスラエルの警察官を負傷させた爆弾攻撃で有罪判決を受けていた。ジャービスさん自身もこの攻撃で顔と手に重傷を負っている。

ヨルダン川西岸地区の町アルビレでは、釈放されたばかりの10代の少年たちがメイン広場をパレードし、パレスチナ国旗やハマスの緑の旗、マフムード・アッバース大統領の政党であるファタハの黄色い旗を振った。

支援団体「パレスチナ囚人クラブ」によると、イスラエルは開戦以来逮捕された約2000人を含む、約7200人のパレスチナ人を拘束しているという。

ガザでの戦争は、イスラエル占領下のヨルダン川西岸地区での暴力の急増を引き起こしている。パレスチナ保健当局は26日未明、前日に始まったヨルダン川西岸地区北部の都市、ジェニンでイスラエル軍の急襲により5人のパレスチナ人が死亡したと発表した。

軍は、今年初めにヨルダン川西岸地区の洗車場で起きたイスラエル人父子殺害事件の容疑者を逮捕したと発表した。軍は開戦以来、頻繁に軍事作戦を実行し、ハマスのメンバーと疑われる人々を数百人逮捕している。

AP

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