• 9月30日にザーヘダーンで毎週の礼拝の後に勃発したデモに対し治安部隊が発砲した
• 活動家は、この地域はイランのシーア派聖職者指導部による差別の犠牲となってきたと長年訴えている

パリ：騒乱が頻発するイラン南東部地域で発生したデモに対する治安部隊の弾圧で数十人が死亡してから40日となった9日、イラン西部の諸都市でストライキが行われ、犠牲者の死を悲しむ人々への連帯が示された。人権団体が伝えた。

9月30日、イラン南東部のパキスタンと国境を接する騒乱が頻発する州スィスターン・バルーチェスターン州の州都ザーヘダーンで毎週の礼拝の後に勃発したデモに対し治安部隊が発砲した。

クルド系イラン人のマフサ・アミニさん（22）が体制の定める女性の厳格な服装規定に従っていないとしてテヘランで逮捕された後に死亡した事件をめぐってイラン全土でデモが勃発してから2週間後のことだった。

ノルウェーを拠点とする人権団体「ヘンガウ」によると、9日、イラン西部ではバーネ、ケルマーンシャー、マリーバーン、サナンダジュ、そしてアミニさんの故郷サッケズなどのクルド人が多い都市で幅広くストライキが実施された。

クルド人地域における人権侵害を監視しているヘンガウは、これらのストライキは「死後40日の弔いの日にザーヘダーンの犠牲者たちへの連帯を示すために」行われたとツイートした。

9月30日にザーヘダーンで発生した暴力の引き金となったのは、スィスターン・バルーチェスターン州の港町チャーバハールで警察署長が拘束下の15歳の少女を強姦したとされる事件だ。

毎週の礼拝を終えてモスクから出た後に街頭に繰り出した男性たちに対し治安部隊が発砲し数十人が死亡した。この虐殺は「血の金曜日」として知られるようになった。

ヘンガウはツイートの中で、「ザーヘダーンで（…）あの金曜日に起こったことは、国際法に基づけば、民間人に対する大量殺人であることは明らかだ」と述べた。

「この大量殺人を国際機関や欧米諸国政府は認識しなければならない」

オスロを拠点とする団体「イラン・ヒューマン・ライツ」によると、スィスターン・バルーチェスターン州ではそれ以降少なくとも118人が殺害されている。イラン当局は少なくとも6人の治安部隊員が死亡したとしている。

ザーヘダーンは、シーア派が多数を占めるイランの中では数少ないスンニ派が多数の都市だ。

貧困に苦しむスィスターン・バルーチェスターン州は、麻薬密輸組織、少数民族バローチ人の反体制勢力、スンニ派過激派グループなどが関わる衝突が頻発する地域だ。

活動家は、この地域はイランのシーア派聖職者指導部による差別の犠牲となってきたと長年訴えている。毎年、衝突において殺害されたり絞首刑になったりするバローチ人の数が不釣り合いに多いのだ。

直近の処刑は9日に発表された。

司法当局のウェブサイト「ミザン・オンライン」によると、2016年に警察官4人を殺害した罪で有罪となったラシッド・バルーチ氏とエシャック・アスカニ氏の2人に対し8日に死刑が執行された。

この2人はテロリスト集団「ジャイシュ・アル・アドル（正義の軍）」の構成員だったとしている。

AFP