ニルマル・ナラヤナン

リヤド：サウジアラビアの公的投資基金（PIF）は、同国の旅行小売市場のシェア拡大と経済成長を目的とした戦略の一環として、Al Waha Duty Free Operating Co.を設立した。

プレスリリースでは、Al Wahaはサウジアラビア初の免税店運営会社であると発表された。同社は、サウジアラビア国内の厳選された場所に高級小売店を展開し、サウジアラビアならではの品々を含む幅広い商品を提供する計画である。

運用資産総額9250億ドルを誇るPIFは、世界で最も影響力のある政府系ファンドのひとつである。また、サウジアラビアの経済多様化と石油収入への依存度低減に向けた取り組みを主導している。

「Al Wahaを国内のトラベルリテールのチャンピオンとして設立することで、PIFはサウジアラビアのトラベルリテール産業の成長を促し、サウジアラビアの観光部門における野心的な取り組みをさらに支援していくつもりです」と、PIFの中東・北アフリカ投資部門で消費財・小売担当責任者を務めるMajed Al-Assaf氏は述べた。

さらに同氏は、「Al Wahaは、多様な商品ラインナップ、免税業務、優れたデジタル顧客体験を通じて、サウジアラビアのトラベルリテールにおけるあらゆるタッチポイントで、旅行者にとって特別な体験を提供します」と付け加えた。

また、同社は空港店舗を免税店として運営し、陸路の国境や海港、機内販売などのチャネルを通じて、旅行小売のさらなる可能性を模索していく。

Al Wahaのオープンは、今世紀末までに世界屈指の観光地となるというサウジアラビアの野心的な目標に沿ったものである。王国は2030年までに1億5000万人の観光客誘致を目指している。

Al-Assaf氏は、サウジアラビア王国が世界的な観光地としてその地位を確立し、今後数年にわたって複数の主要な国際イベントの開催を控えていることから、今後、旅行小売支出のより大きなシェアを獲得する大きなチャンスがあることを強調した。

「サウジアラビアがトラベルリテール消費のより大きなシェアを獲得する可能性は十分にある。王国を訪れる旅行者の継続的な増加、そして地元で開催される国際的なイベントは、持続可能なトラベルリテール収益を生み出す新たな機会を提供する」と付け加えた。

今後数年間でサウジアラビアが主催する予定の主要な国際イベントには、2027年のアジアカップ、2029年のアジア冬季競技大会、2030年の万博、2034年のFIFAワールドカップなどがある。

王国の観光産業をさらに活性化させるため、PIFはいくつかの主要なイニシアティブを立ち上げている。その中には、リヤドを国際的な航空交通の主要ハブに変えることを目指す、新しい国営航空会社「リヤド・エア」や、サウジアラビアの海岸線を世界屈指の観光地にしようというジェッダを拠点とする「クルーズ・サウジアラビア」などがある。

PIFの小売投資には、サウジアラビアコーヒー社、アル・マディーナ・ヘリテージ社（高品質のデーツ生産に注力）、ラクダのミルク製品メーカーのサワニ社も含まれる。