
ロンドン:木曜日の原油価格は、燃料在庫が予想以上に減少した後の米国の需要に対する強い見通しと、ドル安に後押しされて上昇した。
ブレント原油先物は43セント(0.6%)上昇し、サウジアラビア時間午前7時23分には1バレル71.21ドルと、3月3日以来の高値をつけた。米国のウエスト・テキサス・インターミディエイト原油は、38セント(0.6%)高の67.54ドルだった。
米政府統計によると、先週の軽油や暖房油などの留出油在庫は予想を上回る280万バレルの減少となり、ロイターの世論調査で予想された30万バレルの減少を上回った。
JPモルガンのアナリストは、「航空旅客数の減少にもかかわらず、米国の石油需要見通しは健全なままである」と述べた。
アナリストによると、世界の石油需要は日量平均1億180万バレルで、年間150万バレル増加した。
しかし、米国の原油在庫は170万バレル増加し、先のロイターの世論調査で予想された51万2000バレルの増加を上回った。
ドル相場は2月末以来下落傾向にあり、グリーンバック安も原油上昇に貢献した。
フィリップ・ノヴァのシニアマーケットアナリスト、プリヤンカ・サクデーヴァ氏は「今週を通して、ドル安がドル建て原油価格の下支えとなったようだ」と語った。
石油投資家は、米連邦準備制度理事会(FRB)が年内に50ベーシスポイントの金利緩和を実施するとの観測に期待を寄せている。
イスラエルが水曜日にガザで新たな地上作戦を開始し、約2ヶ月間の停戦を破ったことで、世界のリスクプレミアムは上昇した。
米国は、イエメンのフーシ派が紅海で船舶を攻撃したことへの報復として、同派の標的への空爆を継続した。ドナルド・トランプ大統領はまた、今後のフーシ派の攻撃についてイランの責任を追及すると宣言した。
水曜日、ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は、ロシアとの戦争におけるエネルギー施設への攻撃停止はすぐにでも可能だと述べ、双方が停戦に近づいていることを示唆した。
トランプ大統領の中東特使であるスティーブ・ウィトコフ氏は、戦争停止を目指すロシアとアメリカの当局者により、日曜日にサウジアラビアで再度協議が行われると述べた。
ロイター